膨張する金融資産のパラドックス の感想

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タイトル膨張する金融資産のパラドックス
発売日販売日未定
製作者吉田 繁治
販売元ビジネス社
JANコード9784828418582
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » 金融・ファイナンス

購入者の感想

著者の吉田繁治です。出たばかりで、レビューがまだ1件しかないので、内容の紹介を兼ねて書きます。この本のアイデアは、あるエコノミストとの会話からでした。
「国債の残高が、名目GDPの2倍を超えていますが・・・」
「国債は、国民の金融資産ですから、多くてもいいじゃないですか」

国債は持ち手にとって金融資産です。しかしそれは、政府が利払いと返済をしなければならない債務です。預金は金融資産ですが、銀行にとっては負債です。銀行は、預金を貸付けるか、国債を含む債券を買って運用しています。預金は、銀行の仲介を通じて、政府(国債)、企業(借入金)、世帯(住宅ローン)の負債になっています。すべての金融資産は、別の誰かの負債です。「金融資産=金融負債」です。
 
わが国のマネーの、全体の動きを示す日銀の資金循環表から金融資産を抽出すると以下です。1世帯1717兆円、2民間企業1124兆円、2政府部門581兆円、4国内の金融資産の合計は3422兆円です。名目GDP(500兆円)の6.4年分です。
これに対応する負債があります。1世帯のローン負債371兆円、2民間企業1543兆円、3政府部門1209兆円で、4以上を合計した国内の負債総額は、3123兆円です。(注)日本の対外純資産は、海外にとっては負債ですが、これが343兆円です。
 
金融資産は、すべてをひろえば、金融負債と一致します。問題は、金融資産・負債の増加率が、常に、国民所得(=世帯と企業の所得)の増加率より大きいことです。この傾向は、米国、欧州、中国、新興国を含む世界に共通しています。『21世紀の資本』のピケティが示したことでもあります。

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