ピラミッド以前の古代エジプト文明 の感想
参照データ
タイトル | ピラミッド以前の古代エジプト文明 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 大城道則 |
販売元 | 創元社 |
JANコード | 9784422230245 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 世界史 » 古代史 » 古代エジプト史 |
購入者の感想
かねがね古代エジプトについて二つの疑問を持っていました。
1)メソポタミアは千年近い都市国家同士の争いの果てに統一国家ができたのに、エジプトでは突然統一王朝が出現したように思える。統一前の状況は一体どうなっていたのであろうか。
2)メソポタミアとエジプトはどちらが先に開花したのであろうか。相互影響は無かったのだろうか。
それを期待して本書を手にとって見た。概ね疑問に答えてくれる内容でした。
統一国家以前の状況に関する記述はそう多くは無かったのですが、出土遺物に記載されている文字やレリーフ、壁画等に書かれた内容を解釈し、統一前後から第三王朝までの状況を推測してゆく過程には推理小説を読むような興奮を味わえ、一気に読めました。そこから見えてくる状況は、統一が簡単に安定したわけではなく、統一後も分裂の危機に陥っていた可能性もある、というものです。他の地域の事を考えてみれば当たり前かも知れませんが、エジプトの場合、第一、第二と整然と王朝が展開してゆくイメージを抱きがちである為、先入観を覆してくれる嬉しさがあり、また、納得できる仮説だと思えます。
本書後半は、エジプト文明形成過程における周辺地域からの影響の考察です。メソポタミア、パレスチナ、ヌビア、シナイ半島などとの相互交流のうちに文明形成が行われた様子の分析です。最後の章はエジプト西部オアシスの話。砂漠の真ん中に古代エジプトやローマ遺跡があるのみならず、現代の街があるとは初めて知りました。驚きです。
最近同じ著者から、「ピラミッドへの道 古代エジプト文明の黎明
1)メソポタミアは千年近い都市国家同士の争いの果てに統一国家ができたのに、エジプトでは突然統一王朝が出現したように思える。統一前の状況は一体どうなっていたのであろうか。
2)メソポタミアとエジプトはどちらが先に開花したのであろうか。相互影響は無かったのだろうか。
それを期待して本書を手にとって見た。概ね疑問に答えてくれる内容でした。
統一国家以前の状況に関する記述はそう多くは無かったのですが、出土遺物に記載されている文字やレリーフ、壁画等に書かれた内容を解釈し、統一前後から第三王朝までの状況を推測してゆく過程には推理小説を読むような興奮を味わえ、一気に読めました。そこから見えてくる状況は、統一が簡単に安定したわけではなく、統一後も分裂の危機に陥っていた可能性もある、というものです。他の地域の事を考えてみれば当たり前かも知れませんが、エジプトの場合、第一、第二と整然と王朝が展開してゆくイメージを抱きがちである為、先入観を覆してくれる嬉しさがあり、また、納得できる仮説だと思えます。
本書後半は、エジプト文明形成過程における周辺地域からの影響の考察です。メソポタミア、パレスチナ、ヌビア、シナイ半島などとの相互交流のうちに文明形成が行われた様子の分析です。最後の章はエジプト西部オアシスの話。砂漠の真ん中に古代エジプトやローマ遺跡があるのみならず、現代の街があるとは初めて知りました。驚きです。
最近同じ著者から、「ピラミッドへの道 古代エジプト文明の黎明