9条入門 (「戦後再発見」双書8) の感想

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タイトル9条入門 (「戦後再発見」双書8)
発売日販売日未定
製作者加藤 典洋
販売元創元社
JANコード9784422300580
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 軍事 » 米軍基地

購入者の感想

本のタイトルには、「9条入門」とありますが、実際には、「敗戦・占領~日本国憲法制定~冷戦体制に移行しての日本国憲法と日米安保の共存」までの時代を扱った骨太の1冊でした

〇マッカーサーの野望と日本国憲法制定
・連合国司令官として、「日本の占領政策」を成功裏に終わらせ、アメリカ大統領に就任したかったマッカーサーは、日本の国体が「天皇」にあることを看破し、「天皇制」を残しつつ、連合国も納得するよう、民主的な憲法制定を企図します
・そこで、「天皇の人間宣言」で、天皇制を残存させた後、9条以上に重要だった「天皇制を残す」憲法1条、次いで「自衛権までを否定する、理想的な平和主義に基づく」憲法9条からなる日本国憲法を制定させます

〇日本国民、とりわけ、東大法学部による「憲法9条」の受入
・「天皇の人間宣言」で、人心に空白を生じた日本国民は「戦争への嫌悪」もあり、憲法9条を受け入れてしまいます
・また、「ハーグ陸戦条約」にも反する「押しつけ憲法」に「法学的論理」を与えたのは、東大法学部、中でも、宮沢俊義教授の「8月革命説」でした
・そして、これらを国民に周知したのはメディアでした

〇冷戦の激化によるダレスの登場
・ところが、一転、朝鮮戦争を契機に、冷戦が激化し、日本は「反共の砦」となることが期待されます
・そこで、マッカーサーに変わり、アメリカの日本戦略を担ったのがダレスであり、それは、「国際連合の集団安全保障体制」ではなく、「集団的自衛権」、中でもアメリカによる日本駐留を目論むダレスでした

〇天皇による「アメリカの日本駐留の容認」
・で、ダレスらに反対する、当時の吉田首相らに反対したのは、「国際連合の国連軍」を信用せず、「日本の平和を希求」された天皇であり、アメリカの日本駐留を許されました

いかがでしょうか
著者自身も語っているように、「天皇の心の動きまで書いた本はなかった」と言っている通り、ある意味、「天皇の関与」というのは衝撃的な記述です

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