生命保険とのつき合い方 (岩波新書) の感想

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参照データ

タイトル生命保険とのつき合い方 (岩波新書)
発売日販売日未定
製作者出口 治明
販売元岩波書店
JANコード9784004315674
カテゴリ » ジャンル別 » 投資・金融・会社経営 » 年金・保険

購入者の感想

 「これから生命保険を買おうと思っている若い皆さん向け」に「これ一冊を読めば安心して生命保険を買うことができる(p.i)」ような本を書こうとしたと著者は言う。その趣旨通り、生命保険の必要性、種類、生命保険料の決め方等の「概論」に加え、(岩波新書としては珍しく)生命保険の買い方に関する「マニュアル」も3分の1を占める。面白いとは言えないけれど分かりやすい。
 生命保険に対して、著者は次のようなスタンスを取る。
1 「公的な安全網がまずあり、それを『補完』して、プラスアルファのサービスを提供するのが生命保険本来の役割(p.22)」なので、公的な安全網(社会保障制度)についてまず知る必要がある。
2 生命保険のための支出については、「人間が生きていく上では、衣食住が何よりも大切」で「衣食住に不自由しているのに生命保険を買うということは、根本的に間違って(p.92)」いて、それゆえ「毎月払う生命保険料の合計は、手取り収入額の三~五%程度に留めておくことが肝要(p.93)」である。
3 生命保険の目的については「(子どもの)教育費を担保することが死亡保険の基本(p.130)」である。
4 具体的な商品選択については「お金を払って、独立系のファイナンシャル・プランナーに相談する(p.150)」のがベストで、さらに「保険金や給付金が支払われない場合の一覧を自分で確認する(p.105)」ことを勧める。「良くないセールスを見分ける方法(p.159)」もたいへん有用だ。
 そもそも本書は「若い皆さん」向けなのだが、その本質からいっても、私のような年齢や家族関係の人間にとっては生命保険(死亡保険)は不要だということがよく分かった。☆3つなのは、自分にとってはあまり役立たなかったから。これから就職・結婚する人に勧めたい。
 細かいことだが、「高額療養費制度……こそが公的医療保険のコアだ(p.50)」と著者が言っているのに注目した。たぶん高額療養費制度なんて知っている人の方が少ないだろう。

先々月、日経調「年金リテラシー研究会 シンポジウム」を拝聴し、改めてこの本を読み返した者です。
シンポジウムでは、「保険」による長生きリスクの軽減が最も必要とされる弱者層(非正規雇用の若者など)の間で特に、「世代間の不公平論→年金未納→老後の無年金・低年金」の悪循環にはまる恐れがあるというお話がありました。

この本を手に取る人やライフネット生命/著者のことを知る人とは、個人的な意見ですが、お金の知識・関心も高い層ではないかな?と思います。
本当に「保険」が必要な方たちに、この本が届くといいな、という願いを込めて。
また、本書の平易でわかりやすく、親切な内容を自分のできる範囲で伝えられるようでありたいという想いを込めてレビューを書きました。

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