望郷 の感想
参照データ
タイトル | 望郷 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 湊 かなえ |
販売元 | 文藝春秋 |
JANコード | 9784163819006 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » ま行の著者 |
購入者の感想
代表作「告白、(2008年)」をはじめ、主に長編の話題作が多い著者。本書『望郷』は、短編集である。「みかんの花」、「海の星」、「夢の国」、「雲の糸」、「石の十字架」、「光の航路」、の6編が収録されている。本のカバーに”愛すること、憎むこと、赦すこと、そして闘うこと“とある。本書を読んでみれば、その意味も分かる。『海の星』は日本推理作家協会賞(短編部門)受賞作である。本作は、海をめぐる少年時代の物語。突然届いた故郷からの便りは”私“に海辺の町での記憶を呼び覚ました・・・故郷の海・・・そして、失踪した父。「海の星」と呼ばれる不思議な現象を見せてくれたおっさん。そして、その娘との別離と再会・・・。いずれも、瀬戸内海の海に生まれ育った人々の心の内の複雑さを細やかにかつ巧みな筆致で描いている。これは読ませる。