山の郵便配達 (集英社文庫) の感想
参照データ
タイトル | 山の郵便配達 (集英社文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 彭 見明 |
販売元 | 集英社 |
JANコード | 9784087605310 |
カテゴリ | ジャンル別 » 文学・評論 » 文芸作品 » 中国文学 |
購入者の感想
標題作の「山の郵便配達」は老齢の配達夫を通して自然と家族と人生への愛情がじっくりと穏やかに伝わる物語です。
特にラストの犬のシーンでジンと来ます。
「南を避ける」「過ぎし日は語らず」「振り返って見れば」の三作は、文化大革命の混乱や、急激な経済成長による矛盾
の中で、人間的な誠実さを守り通そうとする市井の人々の姿が描かれています。
読後感が苦いものもありますが魯迅や老舎など中国の伝統文学に通じるものがあります。
「愛情」は、純愛をテーマにした現代のおとぎ話ですが、真面目で不器用な主人公をつい応援したくなり素直に読めます。
「沢国」は湖に漁に行く二人の女性の半日を描写しただけの作品ですが、背丈の高さの草原を渡ると頭上のリボンが
揺れて蝶の群れと戯れるといった映像的で官能的な描写がとても優れており、風土への賛歌ともなっています。
各作品とも軽く読めるものの、内容には深いものがあり、中国の現代文学に興味があるが戦争などあまり重い内容の
作品はちょっと、という方に入門書として最適だと思います。またどの作品にも作者の誠実さ、優しさを感じます。
特にラストの犬のシーンでジンと来ます。
「南を避ける」「過ぎし日は語らず」「振り返って見れば」の三作は、文化大革命の混乱や、急激な経済成長による矛盾
の中で、人間的な誠実さを守り通そうとする市井の人々の姿が描かれています。
読後感が苦いものもありますが魯迅や老舎など中国の伝統文学に通じるものがあります。
「愛情」は、純愛をテーマにした現代のおとぎ話ですが、真面目で不器用な主人公をつい応援したくなり素直に読めます。
「沢国」は湖に漁に行く二人の女性の半日を描写しただけの作品ですが、背丈の高さの草原を渡ると頭上のリボンが
揺れて蝶の群れと戯れるといった映像的で官能的な描写がとても優れており、風土への賛歌ともなっています。
各作品とも軽く読めるものの、内容には深いものがあり、中国の現代文学に興味があるが戦争などあまり重い内容の
作品はちょっと、という方に入門書として最適だと思います。またどの作品にも作者の誠実さ、優しさを感じます。