Nomonhan: Japan Against Russia, 1939 の感想
参照データ
タイトル | Nomonhan: Japan Against Russia, 1939 |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Alvin D. Coox |
販売元 | Stanford Univ Pr |
JANコード | 9780804711609 |
カテゴリ | Subjects » History » Asia » Japan |
購入者の感想
第二次大戦後日本のGHQでアナリストをつとめていた歴史学者アルヴィン・D・クックスによるノモンハン事変のドキュメント。1939年夏、満州国とモンゴル人民共和国の国境地帯で勃発したこの日ソの戦いが、全編にわたって詳述されている。ノモンハン研究の決定版といってよいだろう。ソビエト連邦崩壊前の1985年に刊行されたため、ロシア側文献引用は少なめだが、日本側だけでも膨大な資料と格闘した努力には頭がさがる。
ノモンハン事変が中心だが、テーマは関東軍の興亡史だ。当時の周辺情勢も描かれているので、わかりやすい。また戦闘記録の羅列に終始するのではなく、参加将兵の手記、聞き取り調査などにも典拠を求めているので、文章が生きている。当時の状況がありありとするのだ。感情移入してしまい泣きそうになることもあった。専門書として片づけてしまうのは惜しい。研究者必読はもちろんのこと、一般の読者にもおもしろいのではないだろうか。
1989年に朝日新聞社から邦訳版が、94年には同文庫版が出たが、残念ながらどちらも絶版。だがこれらはあまりすすめられない。ぎこちない文章の上、誤訳もあり、流れが悪く、文庫版1巻(全4巻)途中で放り投げたと記憶している。あの調子なら無理して読んでも、意味不明の箇所に何度もでくわしただろう。英語の腕に多少覚えがあるなら、古書を求めるより、この原書版を読むのがよい。ペーパーバック版にもかかわらず電話帳のように分厚く威圧的で、文章も簡潔とはいえず、最初は気後れするかも知れない。だが端正に書かれているので、案外読みやすい。基礎的な文法力があれば大丈夫だ。少なくとも途中で意味がわからなくなり、途方に暮れてしまうようなことはないだろう。
ノモンハン事変が中心だが、テーマは関東軍の興亡史だ。当時の周辺情勢も描かれているので、わかりやすい。また戦闘記録の羅列に終始するのではなく、参加将兵の手記、聞き取り調査などにも典拠を求めているので、文章が生きている。当時の状況がありありとするのだ。感情移入してしまい泣きそうになることもあった。専門書として片づけてしまうのは惜しい。研究者必読はもちろんのこと、一般の読者にもおもしろいのではないだろうか。
1989年に朝日新聞社から邦訳版が、94年には同文庫版が出たが、残念ながらどちらも絶版。だがこれらはあまりすすめられない。ぎこちない文章の上、誤訳もあり、流れが悪く、文庫版1巻(全4巻)途中で放り投げたと記憶している。あの調子なら無理して読んでも、意味不明の箇所に何度もでくわしただろう。英語の腕に多少覚えがあるなら、古書を求めるより、この原書版を読むのがよい。ペーパーバック版にもかかわらず電話帳のように分厚く威圧的で、文章も簡潔とはいえず、最初は気後れするかも知れない。だが端正に書かれているので、案外読みやすい。基礎的な文法力があれば大丈夫だ。少なくとも途中で意味がわからなくなり、途方に暮れてしまうようなことはないだろう。