The Summons (John Grisham) の感想
参照データ
タイトル | The Summons (John Grisham) |
発売日 | 2002-02-05 |
製作者 | John Grisham |
販売元 | Random House Audio |
JANコード | 9780553714630 |
カテゴリ | » 洋書 » By Publisher » Random House |
購入者の感想
法学部の教授を務める男が、元判事で、死期の近い一人暮らしの父親から、素行不良の弟とともに家に呼び出される。父親の所に駆けつけてみると、彼は既に死んでおり、そこには遺言にも記載されておらず、出所不明の3万ドルもの大金が―――。この金の処置に困った教授は、弟にも内緒でとりあえず金を隠し、その出所を探るのだが、彼は謎の人物から脅迫を受けるはめに。こうなると、The FirmやThe Pelican Briefといったスリルあふれるサスペンスを連想したくなるが、それを期待すると残念ながら失望するかもしれない。むしろ、大金を目の前にし、正直に申告すべきか、ネコババしてしまおうか思い悩み、常識では考えられないような馬鹿げた行動をとってしまう小市民(大学教授といえども)のうろたえぶりを描いた一種のコメディーあるいは教訓話と見た方が妥当であるかもしれない。そういう目で見れば、それなりに楽しめる小説であり、結末のどんでん返しも受け入れられる。Grishamの作品の中では傑作とは言い難いが、彼の作品らしい軽快な語り口でテンポも速く、少なくとも読んで損はない。英語も平易で読みやすい。