ゴッホの手紙 下 テオドル宛 (岩波文庫 青 553-3) の感想
参照データ
タイトル | ゴッホの手紙 下 テオドル宛 (岩波文庫 青 553-3) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | ヴァン・ゴッホ |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003355336 |
カテゴリ | 画家・写真家・建築家 » 外国人画家 » カ行の画家 » ゴッホ |
購入者の感想
ゴッホが唯一の理解者でありパトロンであった弟に向けた私的な手紙で、当時は評価されていたとは言えないゴッホがアトリエ活動の苦闘や美的な評論・思想的信条の告白や自身の創作・身近な生活の驚きなどを率直に述べたアトリエ便りの趣です。ゴッホといえば通説ではゴーギャンとのアルルの共同生活の破綻以降、精神的に不安定になり自殺したということですが、手紙を見る限り死の直前まで彼の絵に対する感受性は全くの揺らぎはないですね。自分は絵画の鑑賞眼はなく説明を見て納得する位なのですが、到底把握するのが不可能なレベルで現実の色彩を分析していて、彼の絵の鮮烈な色彩は単に技法ではなく現実をここまで緻密に把握できるという冷静な観察眼によるものと思えるくらいです。特に晩年になるほど研ぎ澄まされて自分の絵画を説明しているので、実際に画を見る機会があれば参照するといいと思います