極北に駆ける (文春文庫) の感想

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タイトル極北に駆ける (文春文庫)
発売日2011-02-10
製作者植村 直己
販売元文藝春秋
JANコード9784167178079
カテゴリ » ジャンル別 » 文学・評論 » エッセー・随筆

購入者の感想

 南極大陸の単独横断という大きな夢を実現するために、まずはその訓練にと、人類最北の地・グリーンランドのシオラパルク村を拠点に冒険をした際の手記。有名な「グリーンランド犬ぞり縦断」を為遂げたのはこの時である。
 いつものとおり、大げさな装備をなにも持たず、いきなり現地に行き、現地の人々の間に溶け込み学ぶことから冒険は始まる。最初は子供達から、しだいに村人たち皆と仲良くなり、ついには長老の養子にされてしまうまでの様子がなんともユーモラスで可笑しい。その過程でアザラシ漁、セイウチや鳥の狩、犬ぞりなどの技術を身につけ、ついには一人前(?)のエスキモーとして遠出(冒険)を始める。
 こうした植村氏のスタンスは、大量装備と近代機器で「自然を征服する」西洋型の冒険スタイルとは明らかに異なるものである。そうではなく、現地の人、知恵から学び、その地で生き抜く技術と力を身につけることによって、自らの冒険に挑んでいく。
 シオラパルク村での描写では、当時のエスキモー(民族的にはイヌイット)の風俗習慣の貴重な記録にもなっている。目が覚めたら起き、腹が減ったら天井から吊るした肉を食べ、それがなくなったら狩に行き、狩がだめなら隣の家に行って食う。と、いかにもお気楽そうだが、彼らは全員が一流のハンターである。ついでに大酒のみだが。その生活風景の描写も、この本の大きな読みどころであろう。

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