日本懐かし10円ゲーム大全 (タツミムック) の感想

辰巳出版には油断がなりません。去年（平成２６年）の１０月に、「日本懐かし自販機
大全」という名著を上梓したときには「これは続くな」と思っていたのに、半年以上も
音沙汰がありませんでした。ところがここに来て、カセットテープやらアイスやらと
怒涛の出版ラッシュです。本書も５月頃には出ていたそうですが、つい最近まで
まったく気づきませんでしたよ。本当にこの出版社には油断できません。　(*’∀｀*)

さて本書はそのタイトルの通り、駄菓子屋の店先に置かれていた１０円で遊べる
ゲーム機の種類・遊び方・内部の構成を解説する本です。この辺りは「自販機~」と
基本的に同じ作りなので、大変読みやすく、面白かったです。表紙の帯には、
「勝ち方は書いてありません」なんて言っていますが、一部の機種には攻略法が
書かれているのも地味によかったです。

また、これも「自販機~」に通じるものがありますが、単に「懐かしの〇〇」を紹介する
だけでなく、「今もある風景」や「在りし日の風景」の写真を惜しげもなく掲載していること
です（ただし、そういった写真の数と大きさでは前著の方が上）。個人的にはゲーム機
には殆ど記憶がないので、ゲーム機よりも「それがあった風景」に興味がありました。

本書の詳しい内容は後述する目次を見てもらうとして、個人的に推し（しかも富山県民限定）なのが、
「１０円ゲームと昭和の風景　~デパート屋上遊園地編~」です。僅か３カットの写真とは言え、
旧「大和」デパートの屋上写真が拝めるとは夢にも思いませんでしたよ。

我が郷土に関しては、前著でも「ドライブイン頼成山」を紹介してくれたりと嬉しい限り
でしたが、旧「大和」の写真なんて、岩波写真文庫の「富山県　新風土記（昭和３１年）」や
アーカイブス出版の「よみがえる昭和の記憶　東海・北陸の記憶（平成２０年・写真自体は
昭和３７年）」ぐらいでしか見たことがなかったので、カラーで移設閉店前の写真を見たときは、