D.W. Griffith: American Film Master (Museum of Modern Art Film Library Series) の感想
参照データ
タイトル | D.W. Griffith: American Film Master (Museum of Modern Art Film Library Series) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | Iris Barry |
販売元 | Museum of Modern Art |
JANコード | 9780870706837 |
カテゴリ | » 洋書 » Subjects » Biographies & Memoirs |
購入者の感想
ニューヨーク近代美術館(MOMA)の映画部門キュレーター、アイリス・バリーが、「アメリカ映画の父」D.W.グリフィスの経歴と作品をまとめ、1940年に発行した"Film Library Series"の1冊の2002年復刻版。発行当時を偲ばせる、素朴で美しい装丁の1冊だ。
元々は、"The Art of The Motion Picture"と銘した、1940年のMOMAによるグリフィス作品一大回顧上映との連動企画だったそうで、そういった意味から、書籍というよりは、40頁にまとめられた豪華なプログラムといった趣が強い。とはいえ、グリフィスの経歴及び主要作品(残念ながら、10年代の膨大な数のバイオグラフ短編個々に関しての記述などはない)に関する解説などは、実に簡潔にまとまっており、グリフィスのアメリカ映画史における足跡と功績を(大まかではあるが)把握できるはずだ。何より、グリフィスとその作品に関して、体系的に書かれた文章の最初期のものとして、映画ファンには、実に興味深い(まだ、グリフィスは存命中だった)。
MOMAは、1929年の開館から、積極的に新しい芸術分野に関心を寄せ、その収集、保存に力を注いで来たことで有名な美術館。そのわずか11年後に、20世紀の新しい大衆文化である映画を、アメリカにとっての重要な芸術形態の1つとみなし、その発展を全面的にバックアップしていたMOMAとバリーの先見性、そして志に敬意を表したい。
元々は、"The Art of The Motion Picture"と銘した、1940年のMOMAによるグリフィス作品一大回顧上映との連動企画だったそうで、そういった意味から、書籍というよりは、40頁にまとめられた豪華なプログラムといった趣が強い。とはいえ、グリフィスの経歴及び主要作品(残念ながら、10年代の膨大な数のバイオグラフ短編個々に関しての記述などはない)に関する解説などは、実に簡潔にまとまっており、グリフィスのアメリカ映画史における足跡と功績を(大まかではあるが)把握できるはずだ。何より、グリフィスとその作品に関して、体系的に書かれた文章の最初期のものとして、映画ファンには、実に興味深い(まだ、グリフィスは存命中だった)。
MOMAは、1929年の開館から、積極的に新しい芸術分野に関心を寄せ、その収集、保存に力を注いで来たことで有名な美術館。そのわずか11年後に、20世紀の新しい大衆文化である映画を、アメリカにとっての重要な芸術形態の1つとみなし、その発展を全面的にバックアップしていたMOMAとバリーの先見性、そして志に敬意を表したい。