決済インフラ入門 の感想

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参照データ

タイトル決済インフラ入門
発売日販売日未定
製作者宿輪 純一
販売元東洋経済新報社
JANコード9784492681411
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » 金融・ファイナンス

購入者の感想

結論から述べると、金融の基本的な機能の一つである「決済」について理解するには最適な書である。その意味では、間口の広い(=広範な読者を対象としている)1冊と言える。
各ページの下部に注釈がつけられている他、決済リスクを考える上で重要な事例(ヘルシュタット銀行事件など)についても解説されており、読みやすい構成となっている。
大学の学部生1年生から金融機関に勤務するプロまで幅広い読者の期待に応える著作であり、読者それぞれの立場に応じた読み方ができる。
現職の金融マンとしても知識のアップデート・理解の再確認に大いに役立った。

個人的には、知識・理解のアップデート・深化を目的に1回読んだ後、「金融機関(特に銀行)経営の観点から決済を捉える」観点で読み直してみた。

著者はメガバンクに長年在職して企画など経営の中枢部門にも在籍していたこともあり、銀行経営の視点(特に銀行の将来における決済の位置づけ)からの考察がなされている。
その一例が、まえがきにあるように、決済業務は金融業の中でも「装置産業」的な経営が必要不可欠という点である。
また、題名にあるように、決済業務は社会インフラであり、銀行の社会的使命を考える上でも決済業務の将来について考えることは欠かせない。

近年では「預金・貸出・為替」を業務とする従来的な銀行の定義から発展して、「銀行はリスクマネージメント産業である」という新しい定義(FRBのレポート)がなされるようになった。銀行業務においてマネージメントすべきリスクは多種多様であるが、決済リスクのマネージメントも代表的なものである。
社会インフラとして、適切なリスクマネージメント(著者の言葉を借りるなら、「堅確な事務」と「守秘義務に基づく公的な使命感と信頼性」)を行って、決済サービスを提供していくことが銀行の社会的使命の一つであろう。

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