23区格差 (中公新書ラクレ 542) の感想

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タイトル23区格差 (中公新書ラクレ 542)
発売日販売日未定
製作者池田 利道
販売元中央公論新社
JANコード9784121505422
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 政治入門

購入者の感想

 著者は「23区の環境や実力についてデータを元にランキングしたり、解説を加えたりしていくことで」「自分にベストフィットする『まち』を主体的に選択し、そこに住もうとする」人の「お手伝いをしていきたい(p.6)」と述べる。
 読み物として面白いし、「人口あたりの銭湯や豆腐店が東京は多い」「品川区は学童保育が充実している」「港区が現在の繁栄を見せるのは21世紀に入ってから」「中野区は人口密度が高い」等、興味深い発見も多い。なにより、「国勢調査」等の統計データに基づいて論じている点は好感を持てる。
 以下は、気になった点。
1 住民の階層や、区の施策の差異を、「勝ち組」「負け組」と表現するのはいらぬ誤解を生むのではないか。
2 「病気になっても心強い区は」の節で、「病院の実力は量で測られる。代表的な指標は病床数だ(p.65)」とあるが、大きい病院=実力のある病院かなぁ。このように、指標の選択に疑問がある箇所がいくつか。
3 「学歴が非凡な区・平凡な区」の節で、「大学は『三高』のまちに集まる傾向があるようだ。……大学とは、想像以上にまちのブランドを重視して建てられているのである(p.112)」とある。三高、つまり年収・学歴・職業が「高い」住民の多い区と、大学の多い区が重なることは事実としても、大学が「三高」のまちを狙って建てているのでなく、むしろ大学があるという環境から「三高」の人々が集まったと考えた方がいいのではないか。このように、相関関係からの因果関係の導出にやや強引な箇所がいくつか。 

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中央公論新社から発売された池田 利道の23区格差 (中公新書ラクレ 542)(JAN:9784121505422)の感想と評価
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