例題で学ぶ入門経済数学〈下〉 の感想

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名前の通り、例題を解いて、経済学で使う数学に慣れましょうという本です。
経済学を専攻する人は、別に数学者になるわけではないので、最初からあまり厳密に数学をやる必要はありません。最初はとりあえず数式の意味がざっくり分かり、その数式をとりあえず扱うことができるように、数式に慣れてしまうことが、学習の近道だったりします。そして、正に、本書は、そのような数式への慣れを必要としている人のための経済数学問題集です。
この問題集の構成は、例題があり、その例題をどうやって解くかの懇切丁寧な解説がついているという形になっています。そしてそのあと、それに類似した問題がいくつか示されています。その答えもかなり丁寧に書かれています。
カバーしている範囲は、同様に経済数学の入門的参考書として定評のあるアルファ＝チャンの「現代経済学の数学基礎」とかなり似ています。時には、チャンよりもこちらの問題集の方が良い部分もあります。例えば、微分方程式についてですが、この問題集の方が、公式をコンパクトに示してくれている分、分かりが早いです。（チャンは、どうしてその公式になるのかをステップバイステップで教えてくれているものの、やや冗長であるし、混乱する。）
以上から、チャンの本とあわせて、その練習問題集として使うと学習効果がより上がるでしょう。