わが心のジェニファー の感想

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参照データ

タイトルわが心のジェニファー
発売日販売日未定
製作者浅田 次郎
販売元小学館
JANコード9784093864213
カテゴリ文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » あ行の著者

購入者の感想

 日経に新刊の広告が掲載されたのを見てさっそく注文せずにはいられなかった。10月26日発行の本が26日に配達された。Amazonの早業か。浅田の作品は「蒼穹の昴」や「壬生義士伝」などしか知らなかったので、浅田次郎もこんな作品も書くんだ!と再認識した。

 タイトルの「わが心のジェニファー」を単に「ディア・キャシー」ではなく「ジェニファー・オン・マイ・マインド」とするあたりの説明は妙に納得がいった。知らないフレーズがよく出てきて英語の勉強にもなった。

 ニューヨークで日本びいきの恋人にプロポーズしたら、一度自分の眼で日本を見てきてからにしてと、保留にされたラリー。彼女のことばに従い日本を訪れてみると、それまで考えていた日本とは全く異なる日本がそこにあった。ラリーが日本の滞在先から恋人に送る手書きの手紙を綴る形でストーリーは進行していく。そしてラリーに関わった女性たちが一様に口にした「クレイン・ダンスを見よ」というメッセージを完結させるため、丹頂が渡って来る釧路へ行く。そこで意外なクライマックスを迎える。

 ラリーは行く先々で日本の魅力を発見していく。そしてそれを恋人に逐一報告する。最初は祖父の影響もあってか日本を少々小馬鹿にしていたが、実際にその眼で見ると素晴らしいところが目に付く。ラリーの素直にそれを受け入れる柔軟性が好ましい。

 浅田はラリーに日本良さを発見させることによって、日本の読者に日本再発見を促しているのだろう。最近はテレビでも日本の良さを見直すような番組が増えた。日本人に自信を取り戻してほしいという浅田のメッセージだと思う。こういうと直ぐにナショナリズムだと言う人やジャーナリズムがあるが、それは違うと思う。自分の国を正しく認識することこそ、世界のグローバル化に対応する方法ではないだろうか。

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