沖縄の自己決定権 の感想

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参照データ

タイトル沖縄の自己決定権
発売日販売日未定
製作者琉球新報社
販売元高文研
JANコード9784874985694
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 日米安全保障

購入者の感想

『琉球新報』が2014年5月から100回に亘って連載したキャンペーン報道を書籍向けに再編集した書である。自社からでなく高文研から出版した理由は「とくに、本土で読んでいただくことを願」ったからだという。小冊ながら一地方新聞社の心意気がひしひしと伝わってくる話題本である。
 内容は三部からなり、1)は沖縄処分までの詳しい経緯、2)は自己決定権の法的根拠、3)は沖縄の自治から独立にまでの射程、となっている。主眼は沖縄の「自己決定権」の確立であり、声高に沖縄「独立」を叫んでいるものではない。だがその後に見えてくる選択肢ははっきりしていると思う。
 圧巻は1)の沖縄近代史である。歴史通と自負してきたが、まったく知らなかった史実を読み、沖縄にこれ程無知でいられた自分が恥ずかしかった。
 明治維新後、新政府は「帝国拡張政策」の手始めに沖縄併合をはかる。1872年、「王制一新」を祝う慶賀会に参列した琉球使節に対し、抜き打ち的に琉球王国を琉球藩に処し、琉球国王を「藩王」に封し天皇との君臣関係を宣言したのに始まり(ちなみにこの処置に関わる一通の公文書もないという)、1879年3月27日、松本道之処分官が官吏数十人と武装警官160人余、熊本鎮守台兵約400人を伴って首里城に入って「廃藩置県」の通達を読み上げ、病床にあった尚泰王には誓願を許すとして上京させ直ちに拘束するまでの「琉球処分」の実態が語られる。「琉球処分」とは琉球併合を国内問題とするために政府が創った言葉で、琉球が外交権・裁判権の明治政府へ引き渡しを拒んたことへの対抗策として、武力で王国を潰した一連の措置を指す。薩長藩閥政府は1609年に始まる薩摩藩の沖縄侵攻の既得権益を強調したが、琉球王国は外交権を有し中国にも「海外公館」を持つ、西欧近代国家から認められた独立国だった。

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