人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病 の感想

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参照データ

タイトル人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病
発売日販売日未定
製作者ダニエル・E・ リーバーマン
販売元早川書房
JANコード9784152095657
カテゴリジャンル別 » 科学・テクノロジー » 生物・バイオテクノロジー » サル・人類学

購入者の感想

人体は二足歩行開始後に600万年間の狩猟採集生活に適応して進化してきたが、その後の12,000年間の農耕生活、最近250年間の産業革命を経た急激な生活環境の変化に対して生物学的には不適応となり(特に食事と運動の面)、数々の生活習慣病(本書ではミスマッチ病と呼ぶ)を発生させているということ。先進国のGDPの何割かは慢性疾患の治療とか介護に費やされており、これは新興国でも同じ傾向。まさに人類共通の解決課題。

 確かに百万年単位/一万年単位/百年単位は対数(log)の世界の変化であり、そんな急激な変化に人間の遺伝子が追随できる訳がなく、数々の弊害が起こるのも無理はない。また悪しき文化が継承されることも進化に対する退化であると言える。結論は昔の生活に戻れと言っている訳では勿論なく、文化&生活習慣の改善で不必要な疾病を避けるための知恵を出して行動に移そうということ。行動経済学的のソフト・パターナリズムとも関係あり。

 ヒトの祖先がチンパンジーやボノボの祖先と枝分かれしたのはいまからおよそ600万年前。それ以降、どんな進化の歴史をたどりながら、わたしたちの身体は現在のこのようなものになったのか。そして、そのように進化という視点から眺めたとき、わたしたちの健康と病気についていったいどんなことがわかるのか。原著のタイトルでもある「人体の物語(The Story of Human Body)」を、著者のダニエル・リーバーマンは丹念に追っていく。
 本書ではまず、ヒトの身体に大きな変化をもたらした、とくに重要な5つの局面が解説されている。その5つとは、(1) 二足歩行(600万年前、初期人類)、(2) 果実離れ(400万年前、アウストラロピテクス)、(3) 狩猟採集(200万年前、ホモ・エレクトス)、(4) 世界各地への拡散(氷河期、旧ホモ属)、(5) 言語や文化の発達(後期旧石器時代、ホモ・サピエンス)である。だがリーバーマンによれば、現在のわたしたちの身体について考えようとするなら、さらにもうふたつの局面に注目する必要がある。すなわち、(6) 農業の開始(およそ600世代前)と、(7) 産業革命(18世紀)という、ふたつの文化的進化がそれである。それらは、「私たちの食べるもの、眠り方、体温調節、人間関係、さらに排便のしかたまでをも、徹底的に変化させた」(上巻42頁)。そして、それらの変化のなかには、「明らかに利益となるものもあったが、その反面、有害なものもあった」(同頁)という。どういうことだろうか。

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