医学は歴史をどう変えてきたか:古代の癒やしから近代医学の奇跡まで の感想

医学系の専門家ではなく、「教養としての医学」を知りたい方向けの啓蒙書です。
本書はフルカラー、トピックの積み重ね形式のため「いつでも、どこからでも」とっつきやすく、著者や訳者の書き方も平易で、写真もふんだんに使われていているため、当時の医療技術などが大変イメージしやすい構成となっています。
西洋医学だけでなく、東洋医学についても丁寧に解説され、現代の医療については遺伝子治療、ヒトゲノムまで対象となっていたり、「形成外科」技術（第一次世界大戦中の顔面欠損に対する治療として発達）や義肢・義歯の発達、麻酔・消毒・抗生物質の発展などにも丁寧に言及されていて好感が持てます。

総じて、「専門家ではないけれど、医療の歴史について楽しくトータルに学びたい」と思う方にはお薦めの一冊です。