ヒトラーに抵抗した人々 - 反ナチ市民の勇気とは何か (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | ヒトラーに抵抗した人々 - 反ナチ市民の勇気とは何か (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 對馬 達雄 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784121023490 |
カテゴリ | 歴史・地理 » 世界史 » ヨーロッパ史 » ヨーロッパ史一般 |
購入者の感想
以前テレビの映画で女学生が主演の反ナチ映画を見たので、興味があり購入しました。映画の背景と他の反ナチ運動がどういうものがあったか、また関係者のその後の人生を理解することができる本でした。
このような本を待っていた。反ナチス・反戦のドイツ抵抗運動の全体像を知ることができる。当時の(および戦後においても一部の)ドイツの国民がナチスにも戦争にも大いに賛同していた中で、かれらの抵抗運動がどれほど苦悩と困難に満ちたものだったのかということがよくわかった。また残された家族が戦後にどのような苦難を生き、そしてその中でどのように名誉を回復していったのかということも知ることができた。さらには抵抗者たちが命がけで構想した「もう一つのドイツ」「ナチスなきあとのドイツ」が、通奏低音のように戦後のドイツに響いていることもわかった。最近はオットー・ヴァイトやゲオルク・エルザーについても映画化され、ベルリンの「ローゼンシュトラッセ」という映画もレンタルで観ることができる。白バラやシュタウフェンベルクだけではない、名もない、広範な市民の抵抗運動が、やがて陽の目をみるにいたるまでの、戦後ドイツの歴史や教育をつくってきたさまざまな市民の姿が目に浮かんでくる。さらには書物に出ない「沈黙の英雄たち」の存在もさまざまに想像させられた。戦後まで生きられなかったすべての抵抗者たちの運動は決して無ではなく、戦後の、現在のドイツの社会に生き続けているのだと思うし、語り継ぎ、読み継ぎ、忘却に抵抗してゆかなければならないと思う。今の日本を生きるために。