秘本三国志〈3〉 (中公文庫) の感想
参照データ
タイトル | 秘本三国志〈3〉 (中公文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 陳 舜臣 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784122051591 |
カテゴリ | 本 » ジャンル別 » 文学・評論 » 歴史・時代小説 |
購入者の感想
1982年文春文庫より出版された「秘本三国志(三)」の中公文庫版。内容は違えないはずなのだが、どういうわけか誤植が目立つ。110p.276p.にたびたび出てくる「董卓」が「薫卓」(くんたく)になってしまっている。分かっている人は気付くだろうが、知らない人は混乱するかもしれない。物語は聖人扱いされがちな劉備像をぶっ壊してくれる内容で、実際、正史にも若い頃は結構な乱暴ものだったらしいことも書かれていると記されている。かなりこっ酷いので是非読んでみて欲しい。そして、嘘か本当か解からないのだが関羽がなんと呂布の妻・貂彈に恋煩いをし、はたまた劉備は五斗米道の教母、小容に惚れてしまい……。今までになかった「三国志」が書かれている。一方、曹操は洛陽に帰りたがる献帝を洛陽は焼き払われてとても住めないと申し出て、自分の根城である許に招きいれ、許都と改名、根回しのうちに大将軍に納まってしまう。ところが劉備も呂布を使って根回しをし、下ヒ城での駆け引きも鮮やかである。諸葛亮15歳のエピソードも飛び出し、益々、楽しい3巻である。