告白 (中公文庫) の感想
参照データ
タイトル | 告白 (中公文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 町田 康 |
販売元 | 中央公論新社 |
JANコード | 9784122049697 |
カテゴリ | 文学・評論 » 文芸作品 » 日本文学 » ま行の著者 |
購入者の感想
自分の中では10年に一度の傑作だと思った。
熊太郎が自分のようで、そして身近な誰かのようで、とにかく読むのが苦しかった。(文体は逆に楽しく、苦しみながらもふき出してしまう場面多。そこが妙でまた特別な印象を残しました。)
ところが弥五郎の登場が快挙で、彼の強さが小気味よく、全てがォく進んでも弥五郎がいるなら大丈夫、というちょっとした保険のような安心感で、物語も(悲惨ながらも)面白くなったと思う。なぜなら読者は彼が最後の討ち入りまでついてきてくれる事だけは知っているのだから。
大量殺人に一緒についてきてくれる同士がいる、というのはある意味ですごい。そんな友達を持っていた熊太郎は幸せだったと思う。
問題の討ち入りはまるで最後には忠臣蔵のようで、語弊はあるかもしれないけれど、「いよいよその時か」というような、いさぎよさ、すがすがしさ、静、というものを感じました。
これだけの長さがあったからこそ、そういう雰囲気が出せたのでは、と思います。
蛇足ですが、酒屋を襲うシーン、最後の討ち入りのシーンの躍動感、疎外感を獅子舞の被り物から見た世界とリンクさせる場面、葛城ドール、葛城モヘアというネーミングのセンス、。衝撃的でした。
熊太郎が自分のようで、そして身近な誰かのようで、とにかく読むのが苦しかった。(文体は逆に楽しく、苦しみながらもふき出してしまう場面多。そこが妙でまた特別な印象を残しました。)
ところが弥五郎の登場が快挙で、彼の強さが小気味よく、全てがォく進んでも弥五郎がいるなら大丈夫、というちょっとした保険のような安心感で、物語も(悲惨ながらも)面白くなったと思う。なぜなら読者は彼が最後の討ち入りまでついてきてくれる事だけは知っているのだから。
大量殺人に一緒についてきてくれる同士がいる、というのはある意味ですごい。そんな友達を持っていた熊太郎は幸せだったと思う。
問題の討ち入りはまるで最後には忠臣蔵のようで、語弊はあるかもしれないけれど、「いよいよその時か」というような、いさぎよさ、すがすがしさ、静、というものを感じました。
これだけの長さがあったからこそ、そういう雰囲気が出せたのでは、と思います。
蛇足ですが、酒屋を襲うシーン、最後の討ち入りのシーンの躍動感、疎外感を獅子舞の被り物から見た世界とリンクさせる場面、葛城ドール、葛城モヘアというネーミングのセンス、。衝撃的でした。