戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ (光文社新書) の感想

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参照データ

タイトル戦略人事のビジョン 制度で縛るな、ストーリーを語れ (光文社新書)
発売日2012-05-17
製作者八木 洋介
販売元光文社
JANコード9784334036836
カテゴリ » ジャンル別 » ビジネス・経済 » マネジメント・人材管理

購入者の感想

著者は当初NKK(今のJFEですが)の勤務、後に米国でMBAを取得し、帰国後GE傘下の会社で勤務
という経歴の持ち主。
本書ではGEでの人事マネジメントが「戦略性をもったもの」の代表として、NKKの人事マネジメ
ントが「戦略性に欠けたもの」として採り上げられている。

GEでの人事マネジメントの良さは色々あるかと思われるが、本書を読む限り優れていると思われ
るのは大きく3つではなかろうか。
(1)頻繁な達成度確認ミーティングによる、目標管理制度の運用
(2)会社の大切にする価値観(ビジョン)の習得を組み込んだ人事評価
(3)リーダーシップ重視の姿勢(リーダーは出現しにくいからこそ、意図的に育てる必要がある)

日本の会社でも目標管理やビジョンの教育、リーダーシップ教育を行っている会社は多くあれど、
これらをGEまで徹底している会社はあまり無いように思われる。著者がこれまでのキャリア人生の
中で体験してきた話も交えられていることもあり、説得力はそれなりに高い。

一方、著者の「日本企業」のイメージが若干古臭いのも確か。
著者はNKKに90年代半ばあたりまで在籍していたようだが、日本企業は00年代に入り(程度の差
はあるものの)「年功序列」を崩し、成果主義の体系に人事制度を変えてきているように思われる。
以前と比べれば、社外留学も一般的になっているし、社内研修でリーダーシップ教育も拡張している。
また、現在良く言われることは無い「年功序列」も、一定の時代環境(例えば労働力が慢性的に不足
し、社員の企業内定着を進める必要性が高かった、など)においては合理性があったことは間違いな
く(もし一切の合理性、メリットが無かったのであれば、そんな制度を採用した経営者はとんでもない
ボンクラということになるしかない訳で)、その良さと悪さを冷静に判別する必要があるはずだ。

安易な米国流経営万歳に走ることなく、冷静に読む限りでは、割と読ませる本ということで★4つ。

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