King Leopold's Ghost: A story of greed, terror and herois (English Edition) の感想

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タイトルKing Leopold's Ghost: A story of greed, terror and herois (English Edition)
発売日2011-05-13
製作者Adam Hochschild
販売元Pan
JANコード登録されていません
カテゴリSubjects » History » Africa » Central Africa

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 大国の君主として振舞いたいベルギー王・レオポルド2世は証しとして植民地が欲しかった。時あたかも列強による植民地分割競争が終盤にさしかかっており、焦るレオポルドの前にアフリカ探検で有名なスタンレーが現われる。虚栄心の強烈な二人のでっち上げたのが「コンゴ自由国」、実質的にはレオポルドの私有地という特異な植民地であった。

 当初はゴムが収入源だったが、ベルギーの公安軍は原住民の女性、子供、老人を人質にして男たちに樹液集めを強制した。それでも言うことを聞かない村は見せしめのため焼き討ち、皆殺しにしてしまう。白人は現地で徴発した黒人兵に対して武器弾薬を支給するにも、くすねるのではないか、と猜疑心を持っており、一発ごとに証拠を要求した。どんな証拠か? ──殺した相手の右手である。エスカレートして報酬目当てに生きている人間から右手を切り取るなどということも横行した。個別の殺戮ばかりでなく、構造的な収奪システムからもたらされた飢餓や疫病による死者は数え切れないほど膨大な数にのぼる。こうした“文明”という偽善の裏にあった残虐な実態を告発、世論を動かした人々、とりわけエドモンド・モレルやロジャー・ケースメントたちの活躍に焦点が合わされる。ただし、構造的な問題が解消されたわけではなく、例えばモブツの所業はレオポルドと全く同じであったことも指摘される。

 アフリカ問題や植民地問題で本書はよく言及される割に日本語訳はない。人物群像などもきちんと描きこまれて歴史ノンフィクションとして読み応え十分だと思うのだが。アフリカ問題の本は日本ではやはり縁遠いか。

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