ホームレス・スーパースター列伝 の感想

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参照データ

タイトルホームレス・スーパースター列伝
発売日2015-08-21
製作者村田らむ
販売元ロフトブックス
JANコード9784907929077
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会と文化

購入者の感想

以前、運動不足を解消しようと夫婦揃って夜になると散歩をしていたことがある。季節は秋。少し寒かったが我慢して歩いていた。途中に公園があり、ベンチで一休みして通りに出てコンビニでトイレを借りたり立ち読みなんかした後、また公園に戻ってきてベンチに座って一休みして帰るというルートだった。
公園を通ると、寒さに背中を丸めた老夫婦のホームレスがカートを引きながら無言のまま歩いている姿をよく見かけた。公園内で野宿するつもりもないようで、ただただ歩き続けている。どこに向かって歩いているのかも分からない。
私たちはその姿を見かけるたび、口には出さないが思いは一緒だった。「いつか自分たちもあんな風になるのかもしれない……」。
派遣で働いていた時、職場で一緒だった女性と帰ることが度々あった。帰り道には小さな公園がありホームレスがテントを張って犬と暮らしていた。周辺には他にホームレスはおらず、自ら孤独を選んでいるといった感じがした。
イラン人男性の居候を養っているという彼女もまた、そのホームレスを見るたび「いつか自分も……」と将来を思うと他人事とは思えないと言っていた。
私たち夫婦も彼女も、将来の自分の姿としてホームレスはリアルな存在だった。紙一重でホームレスにならずに済んでいるだけだ。今の世の中、この先どうなるか分からない。
村田らむはホームレスを探しに西成、山谷、寿町、川崎、上野公園、代々木公園、宮下公園といった代表的な街ばかりか多摩川、淀川といった河川敷まで足を運びルポしていく。
同情するわけでもなく、NPOのように支援するつもりもない。興味の赴くまま観察し、ホームレスの姿を時には面白可笑しく、時には怒られて逃げたりしながら描いている。当然、マトモな人もオカシな人もアブナイ人も出てくる。マスコミで流布する「可哀想なホームレス」といった杓子定規な話は一つも出てこない、村田らむ流の「ホームレス白書」である。
なお、本書には唐突に2ページ見開きで大爆笑のページがあるが、それは読んでのお楽しみ! ぜひ手にとって読んで欲しい。

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ロフトブックスから発売された村田らむのホームレス・スーパースター列伝(JAN:9784907929077)の感想と評価
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