虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンコミックス) の感想

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参照データ

タイトル虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンコミックス)
発売日2012-12-07
製作者市川春子
販売元講談社
JANコード登録されていません
カテゴリ » ジャンル別 » コミック・ラノベ・BL » コミック

購入者の感想

昔、友人から借りて読んだ本。『ヴァイオライト』は当時「?」だったが今回は理解できた。そして日下兄弟に泣いた。
あとはじめて気付いたのだが、『星の恋人』の後半「ロリコン」「まあそういうなナルシスト」のやりとり。自分自身の指に恋してることを「ナルシスト(自分が好き)」にかけているのかなと。

ひとコマひとコマが繊細で美しい。詩のような音楽のような。人の形をした異形なひとたちとの交流と愛。これまで抱いたことのないような読了感でした。ひどく気持ちのいいぬるま湯に浸かっていたような心地になる。世界の見え方が変わった…。

作者の市川氏の作品全般から見えてくるのは
「観測者」であり決して「主人公ではない」
その一歩引いた行く末を見届ける
“神の視点”であることだ

神あるいは創造主
立場は様々であるが
産み落としたモノの手から離れた
“何者か”の献身さには溜め息が出るほどに
健気で、優しく、純粋だ

産みたての赤子が手元から離れ
そしてまた産み続ける
その苦悩の原点とも言えるエピソードの数々は本当に本当に美しかった

特に無機物がヒトへと近付いて行く演出は
恐ろしいほどに現実感があり
まるで実際に存在するのではないかと錯覚させられる程である

素晴らしい傑作集
これを読まないのは勿体無い

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