サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書) の感想
参照データ
タイトル | サブリミナル・マインド―潜在的人間観のゆくえ (中公新書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 下條 信輔 |
販売元 | 中央公論社 |
JANコード | 9784121013248 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 心理学 » 心理学入門 |
購入者の感想
いうのがこの本の主張です。この主張を現代の心理学のセントラルドグマとすべく、これを支持する様々な実験・学説を紹介してくれます。面白いです。今まで当たり前に思ってきた人間観が崩される事になるでしょう。
まず、感情。面白いとか悲しいとかの感情の理由は、自分が一番分かっているという思い込み。その思い込みを、認知的不協和理論や情動の帰属理論で覆します。要するに、自分の中で相容れない二つの認識があるとき、変化できる方の認識、すなわち感情を変化させてしまうということ(例 1ドル報酬実験)。また、情動の帰属理論とは、まず生理的・内的変化があって、その変化を生じさせた環境を自分で評価する事で、自分の感情を認識するということらしい(例 つり橋実験)。
もう一人の自分。自分の心の中には、自分でも認識できないもう一人の自分がいるらしい。その証拠について、分割脳の患者を使った巧みな実験を数多く紹介してくれます。
自由意志。本当に自分が自分の行動をコントロールしているのか? いわゆるサブリミナル効果などを例にとって、実は自分が選んだと思っている行動の多くが潜在意識からの影響を受けている事を指摘する。
この本を読むと、従来の人間観が覆されてしまって、得てして否定的な自分(自由意志がないとか、感情すら曖昧だとか)を考えてしまう。だけど、むしろポジティブに受け止めたいと思いました。プラトンの「メノン」で提起されたパラドクスのように、人間は自分が知らない問題を提起する事すら困難な筈であって、実は問題を提起した時点で、自分の中の潜在的なもう一人の自分は答えを知っているのではないか? 人類史上の大発明・大発見の多くは、夢の中やボーっとしてるときに生まれたといいます。自分で意識できない自分の心の中に、想像できないほどの可能性が秘められているのではないかと期待したいと思いました。
まず、感情。面白いとか悲しいとかの感情の理由は、自分が一番分かっているという思い込み。その思い込みを、認知的不協和理論や情動の帰属理論で覆します。要するに、自分の中で相容れない二つの認識があるとき、変化できる方の認識、すなわち感情を変化させてしまうということ(例 1ドル報酬実験)。また、情動の帰属理論とは、まず生理的・内的変化があって、その変化を生じさせた環境を自分で評価する事で、自分の感情を認識するということらしい(例 つり橋実験)。
もう一人の自分。自分の心の中には、自分でも認識できないもう一人の自分がいるらしい。その証拠について、分割脳の患者を使った巧みな実験を数多く紹介してくれます。
自由意志。本当に自分が自分の行動をコントロールしているのか? いわゆるサブリミナル効果などを例にとって、実は自分が選んだと思っている行動の多くが潜在意識からの影響を受けている事を指摘する。
この本を読むと、従来の人間観が覆されてしまって、得てして否定的な自分(自由意志がないとか、感情すら曖昧だとか)を考えてしまう。だけど、むしろポジティブに受け止めたいと思いました。プラトンの「メノン」で提起されたパラドクスのように、人間は自分が知らない問題を提起する事すら困難な筈であって、実は問題を提起した時点で、自分の中の潜在的なもう一人の自分は答えを知っているのではないか? 人類史上の大発明・大発見の多くは、夢の中やボーっとしてるときに生まれたといいます。自分で意識できない自分の心の中に、想像できないほどの可能性が秘められているのではないかと期待したいと思いました。