医学部受験の総合的研究[三訂版] の感想
参照データ
タイトル | 医学部受験の総合的研究[三訂版] |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 岩嶋 宏恭 |
販売元 | 旺文社 |
JANコード | 9784010550373 |
カテゴリ | ジャンル別 » 人文・思想 » 教育学 » 一般 |
購入者の感想
医学部受験というと、巷には、受験テクニックやバラ色の世界、逆にブラックな実情を、限られた個人体験から記述した雑本が多い。この本は、「螢雪時代」「旺文社」の本ということで、真面目で中立な態度で体系的に書かれており、受験生は購入あるいは借りるなどして、一度は目を通すべきものだろう。現在、中学2,3年以上の世代には、今後、5-10年間くらいは通用する常識的な見通しが書かれていると思われる。多浪生の入試差別などの問題は、その実態が不明な部分もあるので、このような書物で信頼できるような形で取り扱うのは無理であろう。その結果、あくまで無難な常識が書かれているだけなので、ある程度の知識がある読者には面白味のないものかもしれない。
残念な点は、高校生という数十年後に活躍する世代に対して、この職業の未来の見通しのような説明がやや少ないことか。例えば、米国との関係で国内医学部の教育カリキュラムの大幅な変更が迫られている医学部の「2023年問題」といったグローバルな視点や、再生医療、精密医療(オーダーメイド医療やビッグデータ)、医工学といった先端医療の観点からの解説が少ない。また、人工知能の発達により、病理医などの存在が危うくなるほどの変化が予測されている点などにも言及するべきではないだろうか(例えば、知識がなくても、コンピューターで調べることができる)。こういう点から、2020年以降計画されている大学入試改革に伴う医学部受験のあり方というのも、ある程度の予測が可能になるはずである。特に、小学生くらいの保護者がこの本に接する場合には、注意を要する。
残念な点は、高校生という数十年後に活躍する世代に対して、この職業の未来の見通しのような説明がやや少ないことか。例えば、米国との関係で国内医学部の教育カリキュラムの大幅な変更が迫られている医学部の「2023年問題」といったグローバルな視点や、再生医療、精密医療(オーダーメイド医療やビッグデータ)、医工学といった先端医療の観点からの解説が少ない。また、人工知能の発達により、病理医などの存在が危うくなるほどの変化が予測されている点などにも言及するべきではないだろうか(例えば、知識がなくても、コンピューターで調べることができる)。こういう点から、2020年以降計画されている大学入試改革に伴う医学部受験のあり方というのも、ある程度の予測が可能になるはずである。特に、小学生くらいの保護者がこの本に接する場合には、注意を要する。