The Bookseller of Kabul の感想

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参照データ

タイトルThe Bookseller of Kabul
発売日販売日未定
製作者Asne Seierstad
販売元Back Bay Books
JANコード9780316159418
カテゴリ » 洋書 » By Publisher » Hachette

購入者の感想

なんとなく意味深な題名のこの本は、ノルウェイの女性ジャーナリストがカブールで本屋を業とする男の家に家族同様に住まわせてもらい、その家族からの聞き書きを小説仕立てにしたものである。
本屋の名前、即ち主人公の名前をSultan Khanという。彼の家には母親を初めとして弟や妹、そして自分の妻や子供という大家族が生活しており、作者はオムニバス風に家族の一員のそれぞれを主人公にして彼らや彼女らが抱える問題や悩みを生き生きと或いは生々しく表現してくれている。というこの本の紹介を読んだだけで、読みたくなる人もいると思う。読むべきである。私は読んで大変感銘を受けた。
パキスタンで生活したことがあり、またタリバン政権後のアフガニスタンを訪れた事のある自分としては内容がよく理解できたが、そうでない人にとってもよくわかるように書かれている。特に女性の地位に関するくだりにはこれほどまでに虐げられているのかと、思わず憤りを感じたり同情したりすることだろう。しかしこれが現在のアフガニスタンで行われていることなのである。
さらにはタリバン政権時代には、今ここに書かれている以上の厳しい制約が特に女性に対して取られてきたことを思うと、アフガニスタンはいかに時間を空費してきたのかと、同情を禁じ得ない。これまで私は生意気にも、タリバンにもよい点はあったはずだ、タリバン政権は国づくりの最中なので、娯楽や情勢の教育の制限など多少は我慢しなければならないのだ、というような考えを持っていた(とは言っても私はオサマ・ビン・ラデンを支持しているわけではない。一方でタリバンは他国を攻撃するという考えにおいてはオサマ・ビン・ラデンとは一線を画していたのではないか、とも思っている)。しかし、これを読むにつれ、自分の考えはタリバン政権を経験していない者の不遜な考えであるということに気づいた。Sultanがラホールに教科書の印刷に出かけたときにそこで行き会ったパキスタン人が、「(パキスタンは汚職がはびこっているので)タリバンの二、三人も欲しいものだ」と冗談を言ったところ、「あんたたちはタリバンのことを何も知らないくせによくもそんなことが言えたものだ」、と怒る場面がある。その場面を読んで知ったかぶりをしていた自分自身を恥ずかしく思ったものである。

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