「する」と「なる」の言語学―言語と文化のタイポロジーへの試論 (日本語叢書) の感想
参照データ
タイトル | 「する」と「なる」の言語学―言語と文化のタイポロジーへの試論 (日本語叢書) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | 池上 嘉彦 |
販売元 | 大修館書店 |
JANコード | 9784469220322 |
カテゴリ | » 本 » ジャンル別 » 語学・辞事典・年鑑 |
購入者の感想
中心になっている理論は全ての言語表現が「空間移動」
(ex.大阪に行く)の類推から生じるという「場所理論」であり、
さほど精密なものでもない。だが、状態・場所変化の表現という
シンプルなものから、使役、受動といった複雑な言語現象に至る
幅広い論考において、著者の身上ともいえる「自由な発想」が
見られ、(それらの分析が実際に有効であるかどうかはともかく)
読んで爽快になることは間違いない。とかく難解なものを
ありがたがる日本の知的風土において、著者は稀有な存在であると
さえ言えるだろう。言語研究者に限らず、文化の問題に興味のある
人間にも必読の文献である。
(ex.大阪に行く)の類推から生じるという「場所理論」であり、
さほど精密なものでもない。だが、状態・場所変化の表現という
シンプルなものから、使役、受動といった複雑な言語現象に至る
幅広い論考において、著者の身上ともいえる「自由な発想」が
見られ、(それらの分析が実際に有効であるかどうかはともかく)
読んで爽快になることは間違いない。とかく難解なものを
ありがたがる日本の知的風土において、著者は稀有な存在であると
さえ言えるだろう。言語研究者に限らず、文化の問題に興味のある
人間にも必読の文献である。