生きて死ぬ私 (ちくま文庫) の感想

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参照データ

タイトル生きて死ぬ私 (ちくま文庫)
発売日販売日未定
製作者茂木 健一郎
販売元筑摩書房
JANコード9784480422187
カテゴリ文学・評論 » エッセー・随筆 » 著者別 » ま行の著者

購入者の感想

いまや多くの人にその存在を知られている、少壮の脳の専門家・茂木健一郎の、若き日のさまざまな考察、心情をつづった書。

この本を上梓した当時、彼はまだ30代そこそこであった。そこに見えるのは脳の問題だけでなく、生と死にまつわる問題や、いろいろな物事に対し、迷いや葛藤、不安を抱いて苦悩する彼の、あまりにもナイーヴな姿である。この本の中の茂木は非常に青く、痛々しいほどに魂を震わせている。その魂の震えが、読む者の肺腑をぐっとえぐる。この書は、まさにピカソならぬ茂木の「青の時代」ともいうべき青春の書である。

この本には、脳科学者としてだけでなく、人生を深く洞察する哲学者として、既にその片鱗を現わしている彼の姿が、彼自身の言葉を通して描かれている。

優れた科学者はその内面に哲学者としての顔を持っている。茂木健一郎もすでにそれら優れた人達の系譜の中に入っている。その確たる証拠の一つが本書である。

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