Paper Machines: About Cards & Catalogs, 1548-1929 (History and Foundations of Information Science) の感想

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タイトルPaper Machines: About Cards & Catalogs, 1548-1929 (History and Foundations of Information Science)
発売日販売日未定
製作者Markus Krajewski
販売元The MIT Press
JANコード9780262015899
カテゴリ洋書 » Subjects » Professional & Technical » Engineering

購入者の感想

 紙による機械という英訳だが、ドイツ語の原書名はZettelwirtschaftで、云わばカード・サイズの経済学とでも訳せる。16世紀中葉から、世界書誌の創始者コンラッド・ゲスナーなどが紙のスリップに書き留めた情報を編集することで作業の効率化が図られ始め、400年に渡り、学者の情報整理から知識生産までを担ったカード形式による情報整理技術が、学者、図書館、事務処理に応用され、その延長上でデジタル機器であるコンピュータの入力作業にもカード形式のパンチ・カードへの発展させた400年強の歴史を描き出す。まことに壮観。
 カード形式の索引で最も活躍したのが図書館のカード目録であったろうが、現在この目録検索システムがなお活躍している図書館は少なかろう。だが、電源がなくても稼動できる柔軟性があり、膨大な人手によるファイルの維持は確かに不便に思えるが、情報の意外な発見はカードの方にこそその真価かが発揮される。
 カード目録は19世紀から欧米の大図書館で開発され、20世紀後半まで世界中の図書館に普及した。今大図書館でそれが保存されているのは米国議会図書館の大閲覧室の書庫のみかもしれないが、カード文化の貴重な遺産である。
 その導入の歴史を欧米の文化遺産として記録した一冊。欧米のカード文化が20世紀に普及し、デジタル文化へと架橋される歴史を描き出す。その典型の章は<箱で考えるThinking in Boxes>と名付けられた。機能はカード型索引である。それがその後図書館目録に進化させるのは米国議会図書館カード目録の全米配布体制で、定着してゆく。これは云わば、システム文化の継承である。他にも多数の応用があり、それら展望する貴重な1冊。

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