「辞めさせない」マネジメント (PHPビジネス新書) の感想

行動に焦点を当てたマネジメントという視点はあまり意識したことがなかったので、フックになった。人に合わせてマネジメントをするわけではなく、行動を評価することによって、行動を継続させる後押しをする。確かにこの考え方は説得力があるし、身に付ければ周りの人が気持よく働いてくれそうだ。周りの人がなかなか積極的に動いてくれないと思っている方には刺さると思う。

【学びのポイント】
１）人の常識に合わせたマネジメントをするはNG？
　・「飲みニケーション」を何人もの社員に対して実施したことがありますが、だからといって彼らが会社に定着するかといえば、そんなことはない。
　・辞める人は辞める、いる人はいる、つまり、本人次第ということ。
　・20代の生態を、あるいは部下一人ひとりのメンタリティを一生懸命知って、20代の常識に合わせたマネジメントをする……これは得策とはいえないでしょう。
　・シビアな言い方をすれば、ビジネスにおけるマネジメントの目的とは「会社の利益を上げること」です。お互いに理解し合ったり、仲良しになったりすることが目的ではなく、 「違うものは違う」と、ギャップを認識したうえで、「どちらかに迎合する」ということではないマネジメントが必要です。

２）行動を定着させるABCとは？
　・人が行動を定着させる……つまり行動を繰り返すのは、「（取った）行動が、好ましい結果を招くから」です。
　・人が行動を取るときは、まず行動を取るべき「条件」があり、次に実際に行動を取り、そしてその行動の「結果」が生まれます。
　・さらに、その「結果」が好ましいものであれば、人はその行動を繰り返すわけです。
　・この一連の流れは、行動科学では「ＡＢＣモデル」と呼ばれており、人間の行動原理の基本ともされているものです。
　　1 Ａ（Antecedent）先行条件……行動を起こすきっかけ。行動する直前の環境
　　2 Ｂ（Behavior）行動……行為、発言、ふるまい
　　3 Ｃ（Consequence）結果……行動によってもたらされるもの。行動した直後の環境変化