校正という仕事　文字の森を行き言葉の海を渡る の感想

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　以前参加した連続講座での講演内容が書籍化すると知り、購入した。
　本書は校正編集プロダクションの(株)ヴェリタが行った連続講座の記録である。単行本、新聞、雑誌、商業印刷など様々な分野の6人の講師が体験を交えて校正もしくは校閲という仕事を分かりやすく語っているので、誰が読んでも校正を理解できる作りになっている。
　基本的に本書には突飛なことは書かれていない。校正者に必要な資質として焦らず、気を抜かずとあったが大抵の人は当たり前だと思うだろう。しかし、当たり前のことを当たり前にやる難しさを校正を通して日々感じている私にとっては少し身につまされる思いがした。講演を聞き、頭では理解したつもりでも理解できていなかったのだ。
　それはとにかく、自分の仕事を足元から見つめ直そうとしていた矢先にこの本が出版されたのは大変ありがたい。校正とは関係のない分野にいる人でも落ち着いてものごとを考えたい人には有益な一冊。