わたしの「女工哀史」 (岩波文庫) の感想

アマゾンで購入する

参照データ

タイトルわたしの「女工哀史」 (岩波文庫)
発売日販売日未定
製作者高井 としを
販売元岩波書店
JANコード9784003811610
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 女性学 » 女性問題

購入者の感想

戦前は紡績女工(時にはカフェの女給)として、戦後はヤミ屋、日雇い労働者として、そして、二番目の夫に先立たれて、5人の子供を抱える母として、困難な人生をダイナミックに生き抜いた、高井としをの自伝である。たいへんに面白い本で、読みやすい。面白い理由は1.彼女の人生の面白さ、エネルギーの高さ、大胆不屈。2.ベストセラー「女工哀史」印税問題の面白さである。
高井としをの最初の夫は、プロレタリア作家で、「女工哀史」を書いた細井和喜蔵で、結婚3年で死別(大正14年)、二番目の夫は労働運動家高井信太郎で、結婚後19年で死別(昭和21年)している。そして、高井としを自身も、戦前は紡績争議等に参加し、戦後は自ら日雇い労働者の組合を組織して活動している。81歳で死去。
本書は、自費出版形態の「ある女の歴史」が原形で、1980年に『私の「女工哀史」』として単行本化(草土文化)された本の岩波文庫化である。なお、岩波文庫「女工哀史」のほうも、1980年に改版(たぶん高井の本の影響で)されており、1980年5月に書かれた大河内一男の解説がついている。そこでは、高井としをの役割について、比較的好意的な評価がされているが、藤森成吉のまえがき(文庫初版時の1954年のもの)では、高井としをは全く無視されている。
1. 自伝について
構成
第一章『女工哀史』日記・・10歳で女工になり、細井和喜蔵と知り合って結婚(事実婚)し、細井に死なれ、高井信太郎と再婚し、次女の出産まで。(明治35年~昭和4年)
第二章ヤミ屋日記・・特高の弾圧から、苦しい戦時下を経て、空襲の地獄を生き延びたものの、夫は死に、としをがヤミ屋になって、一家を支えていく(昭和7年~昭和24年)
第三章ニコヨン日記・・失対事業の日雇い労働者になってから(昭和26年以後)
私的感想
●高井としをは、息子四人、娘四人を出産しているが、夫二人と息子三人は病死してしまい、本人と息子一人、娘四人が戦中戦後を生き延びている。衛生事情、環境等の影響は大きいと思うが、女性は強い。

あなたの感想と評価

コメント欄

関連商品の価格と中古

わたしの「女工哀史」 (岩波文庫)

アマゾンで購入する
岩波書店から発売された高井 としをのわたしの「女工哀史」 (岩波文庫)(JAN:9784003811610)の感想と評価
2017 - copyright© みんこみゅ - アマゾン商品の感想と評価 all rights reserved.