Ghost Rider: Travels on the Healing Road の感想

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これは旅行記であり、魂の再生記である。
あなたは45才。苦労もしたが仕事には成功し資産もできた。
しかしある夜、警官がやってきて19 才の一人娘が交通事故で亡くなったと告げる。
妻とともに絶望の日々。苦しみもがく中、妻が末期のガンと宣告される。
そうしてあなたはたった10ヶ月の間に、最愛の家族をひとりは突然に、もうひとりは蝕まれる苦痛の中に亡くす。
喪の儀式を終え、あなたは幸福だった家にたったひとり。
もうあなたは生きていることにさえ何の意義も見出せない。
どうする? あなたならどうする?
著者はカナダのロックバンド、ラッシュのドラマーである。同時に作詞家であり、長年バンドの深い世界観を創ってきた。もう20年以上も続いた音楽活動を中断させたのは、誰にとっても最も身近な恐怖、“突然愛する家族を亡くすこと”であった。
小さな魂のかけらを抱き、ただ何とか生き続けるために、彼は旅に出る。行動的な彼らしい選択だ。
思い出の数々の場面は悲しくつらい。それでも現在彼が元気でいると知っていることから希望を持って読めることが幸いである。
馴染みのない地名も多く、移動距離は長い。北米地図を用意して読むことをお勧めする。