A Clockwork Orange Revised (Paper Only) の感想

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参照データ

タイトルA Clockwork Orange Revised (Paper Only)
発売日販売日未定
製作者A. Burgess
販売元WW Norton & Co
JANコード9780393305531
カテゴリ洋書 » Subjects » Science Fiction & Fantasy » Science Fiction

購入者の感想

ハヤカワ文庫の、乾信一郎さんの翻訳したヴァージョンを好きになった方は、原著にも手を伸ばしてみてください。
まず、言葉が面白い。ロシア語、古語がごったまぜになった「ドルーグ語」が展開されます。まっとうな英語ももちろん披露されていますが、ドルーグ語なしでは原著の魅力が半減してしまっていたでしょう。乾先生も翻訳に苦労なさっただろうなあ。
アレックス君と彼のドルーグたちの悪しき振る舞いには、英語にあまり慣れていない我々日本人にもヘキエキするはずです。また、乾先生がハヤカワ文庫の中で仰っていたとおり、「悪文」です。まともなイングランド人には読めないでしょう(ミック・ジャガーは本作のファンだったそうです・・・映画化される前から)。バージェス先生は、本作を書く前に、妻を輪姦されてしまった挙句、脳に病気を持ってしまって、余命わずかだと診断されていて、アル中状態でした。あの悪文はそんな中から生まれたものなのでしょう。
本書で扱われていて、映画ではあまり取りざたされていないことは、「Study of human choice」、「選択の問題」です。いくら人が悪事をやらかすからといって、人間の自由を奪ってしまっていいものか?ということは、本書に限らず、人類の普遍的課題でしょう。本書はそれを真剣に考えています。
よく言われる「幻の最終章」のことですが・・・アレックスは、かつてのドルーグたちが独立しているのを目の当たりにして、本気で人生について、真剣に考えるのです。それはいい。ですが・・・本書の課題である「Study of human choice」とは、かけ離れてしまっています。しかもおしまいが「O my brothers, remember sometimes thy little Alex that was」・・・唖然。バージェスは、なんでこんなつまらない、余計なラストをつけてしまったのでしょうか。アメリカ版が発行されるにあたり、編集者がこの部分をカットした理由も、なんとなくわかるなあ。「What’s it going to be then, eh?」から「I was cured all right」までは完璧なのに。

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