羽生善治　闘う頭脳 (文春ムック) の感想

今回の書下ろし(語り下ろし)は２つ、まず1つは最初のロングインタビューで、編集部から
目標設定・情報管理・自己管理・コミュニケーション力・大局観・モチベーションの維持
という６キーワードが与えられ、それに羽生が長文で答える形である。
もう１つは巻末の沢木耕太郎氏との対談。十年以上ぶりだそう。

その他は、文藝春秋誌や他誌にこれまで書かれた
羽生のエッセイ(2004、2007、2011など)、後藤正治氏による羽生インタビュー(2014)、
島九段(2003)、河口八段(1995)、大崎善生氏(2001)のエッセイ、
脳科学者池谷裕二氏(2013)、小川洋子氏(2007)、為末選手(2006)、朝吹真理子氏(2011)などとの対談
で構成されている。

打ち歩詰め解説のための２図などがある以外は対局の棋譜もなく、ほとんどが字で、
羽生の長文コメントから羽生哲学の思考がわかる名本である。
対談者のコメントにも重要なフレーズが満載で、大変ためになる。