烈女伝―勇気をくれる明治の8人 の感想

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参照データ

タイトル烈女伝―勇気をくれる明治の8人
発売日販売日未定
製作者榊原 千鶴
販売元三弥井書店
JANコード9784838232635
カテゴリジャンル別 » 人文・思想 » 女性学 » 女性問題

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本書の魅力をポイントフォームで挙げる。

(1) あまり一般的には知られていないが、小説のモデルになるような派手さや華やかさはないが、女にとって制約の多い時代に、誠実に粘り強く自分の信じる道を歩き通した「地味だけど非凡な」女たち8人の人生の軌跡の信頼できる紹介。しょうもない軽い評伝ではないのです。

(2) 8人の女たちの人生を読むことが、西洋列強が跋扈する近代世界に突入させられた日本や、その状況に翻弄された日本人の苦闘の歴史を学ぶことにもなるという巧みな構成。勉強になる!

(3) 優雅な、しかし静かな気迫に満ちた文体。どんどん読み進めることができる。

(4) 非常に丁寧に作られている。活字が綺麗。多くの写真や図版が嬉しい。ルビもふってある。息抜きコラムもあるよ。本の作り手の気概が伝わってくる。

(5) 描かれている女たちの生きた状況と、現代の女たちの生きる状況は全く違いように見えながら、実は本質はあまり変わっていないことを、あらためて再認識させられる。時代に翻弄されながら、女としての諸条件と折り合いをつけながら、明治の女も平成の女も、与えられた環境の中で、誰にも責任を転嫁せず、自分の人生を受容し、自分ができることをして黙々と努力を重ねるしかないということを、再認識させられる。誰の人生も「地味で非凡」なんよ、その意味においては。

紹介されているのは、まず東京女子師範学校(現お茶の水大学)第一期生の「青山知世」。尊王攘夷を厚く唱えて岩倉具視に追放された漢学者「若江薫子」。近代日本の夜明けに国母として、近代女性の鑑として生き抜いた「美子皇后」。西洋の学問ばかりが羽ぶりをきかせる教育界に、日本女性の美徳を守るべく跡見女学校(現跡見女子学園大学)を創設した「跡見花蹊」。大東亜戦争前の日本の代表的政治結社であった玄洋社の首領頭山満を育てた男装の漢学者&眼科医「高場乱」。明治日本を支えた生糸産業のメッカ国営富岡製糸場工女(当時のハイテク技術者だ!)第1号の「和田英」。コロンビア大学で日本文化と日本語を教え、A Daughter of the

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三弥井書店から発売された榊原 千鶴の烈女伝―勇気をくれる明治の8人(JAN:9784838232635)の感想と評価
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