イスラーム圏で働く――暮らしとビジネスのヒント (岩波新書) の感想

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タイトルイスラーム圏で働く――暮らしとビジネスのヒント (岩波新書)
発売日販売日未定
販売元岩波書店
JANコード9784004315629
カテゴリビジネス・経済 » 経済学・経済事情 » 各国経済事情 » その他の国々

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2013年現在で世界人口の約23%に相当する16億人がムスリム(イスラム教徒)だという。そのうち62%がアジア太平洋地域で暮らしている。2東南アジアを中心に市場としての魅力が増し、日本に来る人も増えている。20年後には世界人口におけるムスリムの割合は35%にまで伸びるという。

本書は、早稲田大学イスラーム地域研究機構が主体となって実施したイスラーム圏で働いたことのある日本人の講演やインタビューの記録から、13人分を選んで書籍用にまとめたものである。13名の職業は、商社、キャビンアテンダント、女性記者、建設コンサルタントなどいろいろ。登場する国も、アラブ首長国連邦、オマーン、クウェート、イラン、エジプト、カタール、トルコ、パキスタン、インドネシアと幅広い。湾岸戦争の時に人間の盾としてイラクに拘束された人もいるし、女性も結構含まれている。多彩な顔ぶれを意識して選ばれていることが推測される。

読み終えて思うのは、ひとくちに「イスラーム圏」といっても、実際は国によって様々だな、ということ。現場は外国人労働者が圧倒的に多く、現地の人は外国人の元では決して働こうとしない湾岸諸国。一方、商売上手で、言い訳も上手なイラン人はペルシャ商人の気質が確かにあるという。女性の社会進出という点でも国によって大きく異なっており、閉鎖的な湾岸諸国に比べて、イランは多くの女性が働いているし、トルコにいたっては日本よりも進んでいるのではないかと思われる。契約についても、書かれていることを絶対に守るのが当たり前の国と、そうでない国があるようだ。アルコールに対する厳しさも相違がみられる。パキスタンはイスラーム文化にインド文化の影響が混じっている。

一方、イスラーム圏に共通する要素もうかがえる。礼拝の時間を大切にする。豚肉は食べない。情に厚い。家族を大切にするし、他人の家族を大切にする気持ちを尊重する。旅人を歓待する。男性は男気を大切にする。一方、プライドが高い。自分の非を認めない。「イン・シャー・アッラー」という言葉は何度も登場するが、約束を守らないようなときにもよく使われる傾向があるようだ。また、その人がムスリムかどうかということは人々の意識の違いとして大きくあることもうかがえる。

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