メノン (岩波文庫) の感想
参照データ
タイトル | メノン (岩波文庫) |
発売日 | 販売日未定 |
製作者 | プラトン |
販売元 | 岩波書店 |
JANコード | 9784003360163 |
カテゴリ | 人文・思想 » 哲学・思想 » 西洋思想 » 西洋哲学入門 |
購入者の感想
呉智英の「犬儒派だもの」を読み、なんとなくギリシャ哲学に興味をもって
いろいろ漁っているなかで手に取った一冊。
ソクラテスとメノンという聡明な若者の対話の形を借りて、
プラトンが「徳とはなにか」を語る。
◆勇気や節制、正義など徳を示す具体的な行為はたくさん挙げられるが、
それらに共通した「徳そのもの」はどう定義するのか。
◆「徳そのもの」が何かを知らないでそれを探し求めることが可能だろうか。
それを見つけたとしても、気がつかないのではないか。
◆徳は生まれつき身についたものか、人から教えられるものか。
ここでの主な関心事はこの3点である。
特に2点目は
魂は何度となく生まれ変わり、すでに全てを経験し知っている
学ぶとはそれを思い出すことである
というプラトン独特の想起説の原点となる記述で興味深い。
また、同時代の論語や孟子が、
実生活に根ざした徳の実践を説く思想であるのに対し、
プラトンは本書で、男らしさ、女らしさ、勇気、節制、正義といった
具体的な徳のありようではなく、徳の本質=真理、イデアを目指した。
この点も対照的で興味深かった。
100ページ程度の短いものだが、大変わかりやすいので、
興味をお持ちの方には、お勧めしたい。
いろいろ漁っているなかで手に取った一冊。
ソクラテスとメノンという聡明な若者の対話の形を借りて、
プラトンが「徳とはなにか」を語る。
◆勇気や節制、正義など徳を示す具体的な行為はたくさん挙げられるが、
それらに共通した「徳そのもの」はどう定義するのか。
◆「徳そのもの」が何かを知らないでそれを探し求めることが可能だろうか。
それを見つけたとしても、気がつかないのではないか。
◆徳は生まれつき身についたものか、人から教えられるものか。
ここでの主な関心事はこの3点である。
特に2点目は
魂は何度となく生まれ変わり、すでに全てを経験し知っている
学ぶとはそれを思い出すことである
というプラトン独特の想起説の原点となる記述で興味深い。
また、同時代の論語や孟子が、
実生活に根ざした徳の実践を説く思想であるのに対し、
プラトンは本書で、男らしさ、女らしさ、勇気、節制、正義といった
具体的な徳のありようではなく、徳の本質=真理、イデアを目指した。
この点も対照的で興味深かった。
100ページ程度の短いものだが、大変わかりやすいので、
興味をお持ちの方には、お勧めしたい。