オムニチャネル時代を勝ち抜く 物流改革の教科書 の感想

オムニチャネルを通例通り「複数の販売・流通チャネルを組み合わせて、モノやサービスを売り込む新しいチャネル戦略」と捉えるのであれば、
本書は全くを以てオムニチャネルから遠く離れた内容である。
あくまでもITシステムを活用した物流改革であり、チャネル戦略に関わるような記載はほぼない。
オムニチャネル時代、、、即ち、今の時代にふさわしい物流改革と言っているだけである。

記載内容については、物流改革の要諦が相当程度網羅されているように思う。
しかしながら、ただ主要なトピックを羅列しているだけなので、全体像を理解できない。
よくある教科書本の方が遙かにわかりやすい。

青山商事、トラスコ中山、大和物流、講談社、ドゥクラッセの5社における物流改革の事例を取り上げており、これは参考になる。
しかし、帯には、ユニクロ、ヨドバシカメラ、キューピーといった企業名が書かれているが、事例としての記載はない。
確かに、ユニクロ、ヨドバシカメラ、キューピーの事例紹介があるとは書かれていないが、極めて誤解を生む帯だと思う。

個々のコンテンツに大きな問題があるとは思わないが、上記のような売り方をされると、「こういう本には気をつけないと」と思う。
（私はもう買ってしまったので手遅れだが、このレビューを見られた方は、上記内容であることを前提に、購入をご判断頂きたい）