知の教室 教養は最強の武器である (文春文庫) の感想

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参照データ

タイトル知の教室 教養は最強の武器である (文春文庫)
発売日2015-08-28
製作者佐藤 優
販売元文藝春秋
JANコード登録されていません
カテゴリ人文・思想 » 宗教 » キリスト教・ユダヤ教 » キリスト教一般

購入者の感想

本書は、佐藤さんの既刊本『佐藤優の実践ゼミ「地頭」を鍛える!』の文庫化です。

しかし、再読してみるとやはり第10講座は最も秀逸です。

例えば、外交的事実の指摘としては今年暗殺された元エリツィン政権で第一副首相だったネムツォフ氏が、1997年の北方領土に関するクラスノヤルスク合意の交渉過程で、エリツィンが全島一括返還をしようとして彼が阻止した経緯は彼の創作であった事が発覚している点は、日本の外交的利益にとり重要情報です。彼は、日本の外務省を代表とする日本の諜報機関が、北海道新聞での氏の流説をキャッチする事を見越して誤情報を垂れ流している。

又、哲学的には、クロノスという時系列的な時間概念と、カイロスというタイミングの概念、その事象の前後で時間軸上の意味が変化するという意味での時間点を表す概念は政治的にも重要です。例えば、8月15日の日本人にとっての意味は、カイロスですし、米国は露骨に東京裁判の開始や処刑日時も皇族誕生日に合わせたのもこのカイロスの政治的運用です。

さらに、史実としては、1494年のトルデシリャス条約は、ロ―マ教皇が世界を当時ポルトガル領とスペイン領に二分することを約したカトリック教イデオロギーによる植民地化(悪しき普遍化)政策でした。そこで、かのザビエルはそのポルトガル領とされた日本に宣教にきました。日本の鎖国政策は、世界の趨勢からみるとこのようなカトリックの植民地政策から日本的固有の価値観を護持する上で、有効な機能を果たしていました。鎖国を否定することはできません。

現在の政治情勢では、イスラム国が核兵器を入手するシナリオです。イランの核保有のために秘密協定で、パキスタンからサウジへ核兵器が移転され、アラブもオマーンもパキスタンから核兵器を購入し、こうして核兵器がイスラム国へ流入し、核のテロ使用の連鎖が中東で生じる危険があるという見解は重要です。

日本の諜報機関は、外交一元化原則から基本的に外務省で、テロ対策は警視庁、在外公館では自衛隊員など防衛省幹部が諜報に当たっています。これは、正に現存する日本の諜報システムの構造概念です。

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