The Great Gatsby の感想

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タイトルThe Great Gatsby
発売日2013-08-13
製作者F. Scott Fitzgerald
JANコード登録されていません
カテゴリLiterature & Fiction » Authors, A-Z » ( F ) » Fitzgerald, F. Scott

The Great Gatsby とは

1922年、F・スコット・フィッツジェラルドは、「何か新しいもの、斬新で美しくて質素なもの、手のこんだ構成のもの」を書くと宣言した。それが、彼の代表作にして最高傑作である、『The Great Gatsby』(邦題『グレート・ギャッツビー』、または『華麗なるギャツビー』)だ。「ジャズ・エイジ」の光と影を描いた本書は、狂欄の1920年代の雰囲気をとらえた小説で、「アメリカの神話」の中で不動の地位を占めている。

   貧しさの中から身を起こし、裕福になったジェイ・ギャッツビーは、フィッツジェラルド、あるいはアメリカそのものにつきまとう、金や野心、貪欲さ、進歩主義信仰などの強迫観念を象徴する。
 「ギャッツビーは、緑の灯火を信じていた。お祭り騒ぎは、年々かげりを見せはじめているというのに、未来は明るいと信じていた。いざ、その時が来て、明るいはずの未来が素通りしていっても、たいした問題ではない。明日になれば今日より速く走ることができるし、大きく手を広げることもできるから…そしてすがすがしい朝が――」
   夢の実現と崩壊を描いたこの小説は、「アメリカンドリーム」に一種の警鐘を鳴らす作品なのだ。

   この小説は、デイジー・ブキャナンに対する、ギャッツビーのかなわぬ思いを描いたラブストーリーでもある。2人の出会いは、物語の始まる5年前。若きデイジーはケンタッキー州ルーイヴィルの伝説の美女、ギャッツビーは貧乏な将校だった。2人は恋に落ちるが、ギャッツビーが海外出征している間に、デイジーは、粗暴だが非常に裕福なトム・ブキャナンと結婚してしまう。

   戦争から帰ってきたギャッツビーは、なりふりかまわず、富とデイジーを追い求めることに没頭する。やがて、当初は目的にすぎなかった富が、デイジーを手に入れるための手段になっていく。
 「彼女の声は金でいっぱいだ」
   これは、ギャッツビーが、この小説の中でも特に有名なシーンで発する賛辞の言葉である。

   金持ちになったギャッツビーは、デイジーの住まう高級住宅地のイースト・エッグと、ロングアイランド水道を挟んで向かい合わせの地所に大豪邸を購入し、ぜいたくなパーティーを開いて、デイジーが現れるのを待つ。そして、彼女が登場すると、物語は、ギリシャ劇につきものの、悲劇的な様相を見せはじめる。かたわらで冷静な目で見ている隣人のニック・キャラウェイは、終始「コロス」を受け持つ。無駄のない文章、 洗練されたストーリー、透き通った文体。『The Great Gatsby』は優れた詩文でもある。

購入者の感想

本書の特徴は、作家の文章の個性にあると思う。ロストジェネレーションと総括される1920年代のアメリカのニューヨークの興奮と都会にうずまく郷愁に満ちた一時期を描き切った文章。都会の洗練をねらった独特の文体。文章と文体の特殊性をのぞけば、その内容は、ブーイングの対象かもしれない。ギャッツビー自体は、くだらない大衆小説ととらえるむきもある。

たしかに、内容自体、物語の進行には、おとぎばなし的な、無理があって、さほどリアリテイーはない。くだらないと取る向きもある。それは、しかたがない。第一次大戦後のアメリカの空前の好景気。ボンドで身を立てる地方での若者が退廃的文化を謳歌し、地に足のつかないうかれた生活をしている。それを自堕落ととる読者もいる。
ただし、この作家の、すきのない、ち密に計算された、個性のある文章は、この作品がピークではないか?と思う。

登場人物の個性、人格の描き方が緻密。そして、文章が独特で、個性的。この作品では、最後の章まで、各人の個性に矛盾が出てこない。作家の集中力が途切れておらず、途中で各人の性格の描かれかたに、無理が噴出することもない。その点、秀逸である。

原著でしか味わうことができない彼の文章の妙味だと思う。
翻訳(村上春樹)などでは、この個性はかき消されてしまうので、原文で読むしかないと思う。

この作家のオリジナルと言える、独特の文章表現。これは、その後の作家にも「おしゃれな都会」的センスの参考となり、なんらかの影響を与えたであろう。
たしかに、しょぼい内容。でも、文章は個性がある。それが、ロストジェネレーションのアメリカの空気感をうまく演出している。
つまり、この作家は、文筆で生計をたて、出世しようと考えて、その時代に最も受けそうな文章を、独自にひねり出したと思う。生来の文才あふれる作家でもなく、大学で文学の素養を学んだ作家でもない、たんに、文筆を自身の生業ととらえた作家であろう、なので、当時の流行の、ファッショナブルな文章を時代に先駆けて発表したのだと思う。ただし、切っ先の鋭い筆力と、詩情あふれる情景の描き方は上手い。

言わずと知れた1920年代を描いた米文学の古典。
アメリカの教育現場ではHarper Leeの"To Kill a Mockingbird" やSalingerの "The Catcher in the Rye"を読んだ後くらいの“必読書”の位置にあり、大方のアメリカ人は読んでいる。

従って書評の対象として適切か?という疑問はあるが、このたび30余年ぶりに読み返して、前回もうひとつピンとこなかったのと比較し、今回は“これはおもしろい。一字一句を追うのもスリリング”という感じで読めたので、日本人が原書で読むという観点から印象を述べたい。

1.英語のレベル
英米の小説を色々読む比較感では、“容易な入門レベル”とは言えない。
特に最初の2ページは“??? うん? 一体何を言っているのか?”という感じとなるが、その後はぐっとわかりやすくなるので最初は我慢が大切。

2.読むに必要なbackground information
例えば“アメリカでは1920年に禁酒法が成立し、女性の参政権が認められた”という時代背景、New YorkのLong Island, Penn Central Station, Plaza Hotel, Yale Club、ChicagoのUnion Station, Lake Forestといったネームに対する土地勘等々あれば越したことはないが、アメリカ人でも限度はあろう。
今はインターネットの時代。“ここはどうしても分かりたい”と思ったら、調べられる。

3.文章
極めて抒情的、詩的で気の利いたpassageが随処に出てきて思わず酔いしれる。

"And so with the sushine and the great bursts of leaves growing on the trees, just as things grow in fast movies, I had that familiar conviction that life was beginning over again with the summer"

4.構成

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