イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書) の感想

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参照データ

タイトルイギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)
発売日販売日未定
製作者デービッド・アトキンソン
販売元講談社
JANコード9784062728973
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 社会学 » 社会学概論

購入者の感想

本の表紙は、花浅葱色の菱文様の着物、烏帽子姿で金屏風前に佇むデービッドアトキンソン氏。和風の装丁のこの新刊で早くも3作目です。「新・観光立国論」と立て続けに刊行されましたが、こちらが1作目「イギリス人アナリスト日本の国宝を守る」の実質的続編です。

最近の日本の自画自賛の風潮に対する危惧を「はじめに」で示し、自国他国の比較や優劣をつけることへの疑問を投げかけています。

そこから、1作目でも触れている経済大国としての日本・人口と少子化の問題、労働者と経営者の対比、観光等の側面について、他国との比較からではなく、日本のもつポテンシャルとして「強み」と「弱み」に選り分けて、縦横に分析しています。

丁寧に一つ一つ意図するところを説明し、言葉遣いにも気を配り、日本を否定していないことを繰り返し伝えているのが印象的です。前作の、かなりの賛否両論の故でしょうか。
しかし、気遣いはしつつも、核心をつく洞察と分析の結果を、仮に読み手の反発を招くような強めの文言であっても、必要な箇所では正直に表現されています。今作でも賛否両論を呼ぶだろう言葉の力は健在です。

今回特に第4章日本人特有の「面倒臭い」の意識への言及は、日本人として読んでおくべき考察と感じます。
また、いわゆるエリート層である知的インテレが発信するマイナスの影響力や日本の強い個人主義への示唆等も興味深く読ませて頂きました。

感想として…
日本は国家規模や世界における重要度を鑑みると、間違いなく主要な成熟国家であり相応の成果を成し遂げているのにもかかわらず、内面的にナイーヴであり、権威者(男社会)の旧体質が依然蔓延る矛盾があり、変化を企てない不思議を指摘されています。

簡単に言うと、アトキンソン氏は、日本は大人でしょう?もう少し大人の行動と責任を自覚しなさいよ、できるのにやらないのは怠慢ですよ…と言ってくれているようで恥ずかしいのですが、でもそこが弱点でありまた「のびしろ」でもあるのだとフォローしてくれています。

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