Oscar Wilde: The Major Works (Oxford World's Classics) の感想

ペーパーバック: 638ページ　Oxford Univ Pr (T) (2008/6/15)
ISBN-10: 0199540764　のレビュー。
イントロと年表22ページ、本文573ページ、notes 67ページ、

最初届いて開いたとき、文字が小さめだと驚きましたが、読み始めると気になりません。1ページ41行です。Oxford World’s Classics はたいてい39行だと思っていたのですが、編集時期によって異なるようです。

ワイルドの作品をすべて読もうという方には不適。
それから、短編は1篇のみ、童話は2篇だけなので、短編小説を読みたい方は、それだけ集めたものがよいでしょう。

『ドリアン・グレイの肖像』、戯曲、散文詩、批評の代表作だけ読めればいいという方には最適だと思います。別々に買うよりはるかに安いし、作品間の参照も可能です。『社会主義下の人間の魂』と初期の詩は未収録。

一般に、Oxford World’s Classics シリーズは注が不親切というか研究者向けが多いのですが、本書の注は固有名詞の解説、引用作品の解説が中心で、一般読者向けです。ワイルドという人は難しい表現をひねくりまわす作家ではありませんから、これでいいでしょう。

すでにオスカー・ワイルドに親しんでいる方には常識でしょうが、この作家はすべてのジャンルで対話形式が得意なんですね。小説も批評も一対一の会話が基本であり、本質的に戯曲作家なんでしょう。