ユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV の感想

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タイトルユリウス・カエサル ルビコン以前──ローマ人の物語[電子版]IV
発売日2014-07-04
製作者塩野 七生
販売元新潮社
JANコード登録されていません
カテゴリ »  » ジャンル別 » 文学・評論

購入者の感想

 カエサル登場という、シリーズを通して私が最も期待していた上下2巻がこの作品。塩野さんの歴史に対する真摯な姿勢と豊かなイマジネーションが結集されたクライマックスとして、期待通りの読み応えがありました。
 たった一人の男の想像力と行動力が「パクス・ロマーナ」への道を開く。その視野の広さは、カエサルの、自己も含めた徹底した人間洞察力がなせる離れ業だった……。カエサルのカエサルたるゆえんが納得できる名著です。
 人は自分が見たいと思うことしか見ない……。大いに反省させられる言葉ですが、カエサルと凡人との違いを決定付けるこの「眼力」の違いに着目し、軸足を動かさずにカエサルに肉薄しようとする塩野さんの決意のほどが伝わって来ました。
 教育熱心な母アウレリア、息をのむような戦いを通じカエサルも一目を置いたガリアの英雄ヴェルチンジェトリクス、おそらく主義の違いを超えて人間の大きさに嫉妬したであろうキケロ。登場人物の一人一人が古代ローマという舞台で、生き生きと人生を演じる息吹が感じられます。0

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