一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786)) の感想

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参照データ

タイトル一億三千万人のための小説教室 (岩波新書 新赤版 (786))
発売日販売日未定
製作者高橋 源一郎
販売元岩波書店
JANコード9784004307860
カテゴリジャンル別 » 文学・評論 » 評論・文学研究 » 文学理論

購入者の感想

子供たちに語りかける口調で、「小説を書くとはどういうことか?」を言葉でくどくど説明せずに、伝えようという試みをしている。
よって、「小説を書くとはどういうことか?」を論理的に知りたい人、その大筋を説明して欲しい人(要するに、真面目な勉強家の人)が読むと苛々するかもしれません。
まわりくどく、おまけに子供に向ける口調でしかも、唐突にわけのわからない文章例が出てきたりするので、
「はやく知りたい」人は馬鹿にされているような気になると思う。
だけど、おそらく、そのように、「なんだか分からない」というモヤモヤした気分を、味わわせることこそが、著者の目論見のようにも思える。

まず、小説を書くにあたっては、小説のことなんか考えず、小説を書いていない今の状況を楽しめ、味わえ、(小説の一行目はなるべく我慢してゆっくりと書き始めること)とあります。
小説を書くことをいつまで待つかというと、世界を全くちがうように見ることができるまで(世界がまったく違ったように見えるまで)。

著者は、小説を、サッカーボールのように例え、それをグラウンドで追いかけまわし(楽しくてたまらないように、戯れ遊び)、「掴まえる」ことをまず重視します。
速いボール、変化球、どんなボールであっても、とにかく目をそらさず、「掴まえる」こと。
(そのためには、サッカー…小説が好きで好きでたまらないというのが最低条件!)
それができるようになれば、次は、「まねる」を勧めます。
「うまく書こう」などと思わず、面白いと感じたボールの投げ方(文章)をただただ「口真似」するだけ。
先に意味を考えて、思考を凝らそうとせず、ただ言葉をリズミカルに書いていく。(意味はあとからついてくる)。
もし本当に自分にとって不可欠な言葉ならば、それは次第に自分の遺伝子レベルに組み込まれて自分のものに昇華されていく、と。

最後には、小説家になるために最低限読んでおいて欲しいブックリストが掲載されています。

人生を味わって楽しんで、小説というサッカーボールを追いかけて遊んで戯れて、

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