ビゼー:歌劇《カルメン》 (メトロポリタン歌劇場) [DVD] の感想

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参照データ

タイトルビゼー:歌劇《カルメン》 (メトロポリタン歌劇場) [DVD]
発売日2010-10-27
監督リチャード・エア
出演ロベルト・アラーニャ
販売元UNIVERSAL CLASSICS(P)(D)
JANコード4988005631626
カテゴリジャンル別 » ミュージック » クラシック » オペラ・声楽

購入者の感想

オペラや舞台は、独特の瞬間があります。それは全部が不思議と上手く行っていて、成功の予感があり舞台上の人物がすこしずつ普通を乗り越える、そんな瞬間を確信し始めるときで、この舞台のDVDでもそれが伝わってきます。
それにしてもガランチャはいい。ともかく見事!!冒頭のカルメンのアリアが始まると、この声は一体何だ、何者なんだと、とても深い複雑な味のある声に一瞬で魅了されます。その上、この人には正確に歌うという確信度がDNAレベルで埋め込まれているんじゃないかと思わせる瞬間がいくつかあります。そして、何よりも美人。天は二物を与えたのでしょう。これはいくら努力してもどうにもならない部分です、神様がいるならば不公平のきわみです。でもこの役は美人以外ではどうにもならない、その役割をガランチャは良く知っています。そして良く踊りました。
メトロポリタン初登場というネゼ=セガンはめりはりのある指揮をとっています。従って輪郭が明確で聴いていて快いです。それにしてもオペラのオーケストラはどうしてこんなにカッコいいんでしょうか、疲れを知らないのでしょう。メトはその中でも別格ですかつてレバインがメトを引き連れてきたときコンサートをやったのですが、通常なら2晩でもよいプログラムを組んでいたのを覚えています。
ドン・ジョゼはロベルト・アラーナァですね今これほどの歌手はいないでしょう。面立ちがまじめで理知的な役柄にうってつけなので、初めはまじめ一辺倒だったジョゼ役にはうってつけです。今回のカルメンでの花の歌はまことに見事です。
DVDでは第2幕が下りた後すぐに衣装のまま舞台裏でロベルトとエリナにインタヴューをするというメト特有の演出もあります。そして場面は密輸業者のアジトに転換し、すでにジョセとカルメンには小さな溝ができています。これはトランプ占いとともに伏線となって問題の第4幕に向かいます。第4幕は、当時二流半としかみなされていなかったビゼーという、うだつが上がらなかった作曲家が一世一代のドラマに打ち込んみ、狂気との一線をぎりぎりで保ちながら、現実の自らの生命も危うくなるほどの神がかりの真剣勝負を仕掛けたものです。ジョゼの最終幕の憤怒はビゼーその人のものとしか思えません。この夜のメトロポリタンの聴衆は幸福だったでしょう。

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