英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書) の感想

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参照データ

タイトル英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる (集英社新書)
発売日2015-07-17
製作者施 光恒
販売元集英社
JANコード9784087207958
カテゴリジャンル別 » 社会・政治 » 政治 » 日本の政治

購入者の感想

凄い本に出会ってしまった。言語の問題が、実に奥深いところで、「政治」や「民主主義」の問題とつながっていることを知らされ、感嘆した。あの安保法制の問題だって、言及こそされていないが、この本の射程の中にはいってくる。

いや、なんと言うべきか、ここのところ気になっていた問題群――ピケティらが示した格差問題、民主主義の危機、反知性主義の跋扈、永続敗戦レジーム、グローバルな普遍の価値VS土着の伝統的な価値の闘い、ナショナリズムの本質、地域帝国化ありやなしや問題、中世vs近代、妥結間際のTPP問題―などが、この本で一気につながってしまったのだ。ここまで知的に興奮する本はひさしぶりだ。

しかも・・読みやすい筆致なのだ。まだ未消化なので、暫定レビューだが、★5つは、揺るぎなし。文句なしに面白い。そして、安倍政権をどう批判するか、という点でも、理論武装の役に立つ! 

そのうえ、国内政治の問題にとどまらずに、公正な世界秩序の構想、国際援助の理想の在り方にまで話がおよぶ後半の展開がまた素晴らしい。

もう一つの読みどころは、明治初期にもあったという「英語公用語化」論争の顛末だ。明治のエリートたちは、英語化を退け、日本語を選択し、高度な外来の知を、庶民にも普及させるため日本語の語彙拡充に励んだ。彼らの物語にぐっとくる。(現代の無責任な英語化推進エリートたちとは大違いだ!)

さて、タイトルの「愚民化」。「愚民化」というプロセスが、なぜ起こるのか。本書を読むと、このプロセスは、さまざまな分野で、重層的に、複数経路で一気に起こることが分かってくる(だからこそ怖い!)が、最もわかりやすいプロセスを本書から引用しておこう。

「日本の社会が英語化してしまえば、多くの人々が社会の重要な場から締め出され、知的成長の機会が奪われ、愚民化してしまうに違いないのだ」「日本語そのものも、最先端の用語をもたない発展の遅れた<現地語>と化し、日本語を話す階層の人々の知的劣化に拍車をかけるだろう」

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